1. ホーム > 
  2. 暮らし > 
  3. 運動 > 
  4. ヨガ
 

森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(57)「卍のポーズ」

イラスト●星奈レイ
発行:2012年8月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

良い眠りのために

卍のポーズ① 仰向けになって、右手を頭上に伸ばす。

先日、霞ヶ関の某庁舎に行ったときのことです。廊下は驚くほど暗く、しかも埃っぽく暑いのです。部屋に入ると窓からの採光もあり、廊下と比べればずっと明るいのですが、室温はかなり暑い。

まだ真夏になる前でしたが、また節電の夏がやってきたかと。「節電」という言葉が夏の季語になる日も近いと思いました。

② 左ひざを立て、おなかのほうに引き寄せる。

今のビルは窓を開けて風を通すようには設計されていません。

大型の商業ビルでは、そもそも窓は開けられないようにできています。暑くても締めったままでしのぐしかありません。たとえ窓が開けられたとしても、今度は 騒音と排気ガスで、とても仕事に集中できないことでしょう。人間にとって気持ちのいい風を通すという発想が、都市計画からまったく欠落しているように思わ れます。

③ 左ひざをそのまま右側に倒して横向きになる。

夜になってもなかなか気温が下がらず、寝苦しい夜が続きます。都市の熱帯夜は、窓を開けると、手で触れられるかと思うくらい、もわ~っとした生温かい空気がはいってきて、一層暑苦しくなる、ということも。

そんな寝苦しい夜こそヨガの出番と言いたいですが、このポーズをやればぐっすり眠れるというポーズは、残念ながらありません。

ただ、暑いときにその暑さにイライラして、もっと暑くなるという情けない悪循環は、ヨガで避けられます。

④ 左手で右足をつかむ。

ところで、日本人の平均睡眠時間は徐々に減ってきて、慢性的な睡眠不足状態にあるのだそうです。そのため夜は急に眠くなり(急に眠くなるまで起きているとも いえる)、概して寝つきは悪くありません。むしろ途中で目が覚めてすぐは眠れない、早朝に目が覚めて、そのあとほとんど眠れないという悩みをよく聞きます。

もともと睡眠時間を切り詰めているので、睡眠不足が2~3日続くとストレスが急速に高まります。

⑤ 右足先をできるだけ遠くに引き、右もも、おなかを伸ばし、胸を反らす。顔を仰向け、のどを伸ばして、ゆっくり10呼吸。ゆっくり①に戻す。

夜中に目が覚めて、「まだこんな時間? もう少し寝とかないと。今日はやらなくてはいけないことがたくさんあるから。そういえば、あの件はどうなってたか……」などと考えてしまい、目がますます冴えるという経験はだれにでもあるでしょう。

寝不足でぼんやりしていても、何とか1日の業務をこなし、夜は早々に眠くなり、ぐっすり眠れるはずが、やっぱり夜中に目が覚めて、しかも暑い、寝苦しくてイライラする、もうすこし寝ておかないと、と焦る。

私どもの「こころとからだクリニカセンター」は内科・神経科のクリニックに隣接しているので、不眠が1週間以上も続いて、就寝前に緊張してしまうという方には、クリニック受診も選択肢の1つに加えさせていただいています。使えるものは何でも使えばいいと思うからです。もちろんヨガも併用してもらいます。

でも、一番お勧めしたいのは、夏の間だけでも、生活全体をペースダウンすることです。気持ちいい風が都市全体のありようとかかわっているように、気持ちいい眠りも生活全体のありようと深くかかわっています。ほんの少し、〝のんびり〟を取り入れてみましょう。

今回紹介する「卍のポーズ」は、ベッドの上でもできます。疲労回復にとても有効なポーズです。ベッドの上で、できる範囲でゆるく適当にやっていただきたい。左右どちらか、やりやすいほうだけ行ってもかまいません。

卍のポーズ

① 仰向けになって、右手を頭上に伸ばします。

② 左ひざを立て、おなかのほうに引き寄せます。

③ 左ひざをそのまま右側に倒しましょう。体の右側を床につけた状態で横向きになります。

④ 左手で右足をつかみます。

⑤ 右の足先をできるだけ遠くに引き、右もも、おなかを伸ばします。胸を反らしたら顔を仰向け、あごを上げのどを伸ばしましょう。そのままゆっくり10呼吸キープします。ゆっくり体勢を①に戻し、呼吸を整え、左右を交代して同様に行いましょう。

最後に「完全なくつろぎのポーズ」を行います。両足は腰巾より少し広めに開き、両腕はわきを弛めてのばし、吐く息長めのゆったり呼吸をします。呼吸をカウントして、10呼吸まで数えたら、ゼロに戻ってまた10まで呼吸を数えるのをくり返します。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート11月 掲載記事更新!