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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(66)「立位で行う足指ヨガ」

イラスト●星奈レイ
発行:2013年5月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

好きな樹木に会いに行く

これも地球の温暖化と関係しているのでしょうか、最近の日本は夏と冬が長期化して、気候のいい春と秋がほんの数日で終わってしまう気がします。

でもたとえほんの数日であっても、暑すぎず寒すぎず、ただ息しているだけで気持ちいいという朝がきたら、こんな日はめったにないのだから近くの公園に行こう。出勤前でもいいし、その日が休日だとしたらラッキー、のんびり緑の中で過ごそう。芝生の上で裸足で立つ。足指の股から芝生が生えているのを見る。足の裏に少しだけひんやりとした芝を感じる。周りの樹木を眺めると何となく姿かたちが好ましいという木が見つかります。そうしたらその木のほうに向く。根っこは地中にあるから目には見えないけれど、きっと大地に根をしっかり張って、堂々と立っています。

立派な木には何かが宿っているような気がします。だってものすごく長い時間そこで生きてきているのですから宿ってもおかしくありません。

木と比べたら、私たち人間はそんなに堂々と立てるものではありません。でも木をしばらく眺めていると、いつもより地に足をついているという自己感覚が自然とわいてきます。

Oさん(65歳・女性)は3年前に1人娘をがんで亡くしました。その娘さんと最期に過ごしたホスピスでの数週間、病院の窓から見た欅の大木が忘れられないと今でも語ります。

「新緑の季節でした。いっせいに芽吹くときで、その緑色がまだ若く薄緑でほんとうにきれい。娘がモルヒネでうとうとしている間、わたしはずっと欅の木を見ていました」

窓越しではなく、もっと近くに寄って見たい、あの生命力に近づきたいと病室から欅を見ているときは考えるのですが、病室から出ると、用事に取り紛れてすっかり忘れてしまうのだそうです。

「1日1日、緑が深く濃くなっていくのですよね。幹に耳を近づけると、木が水を吸い上げている音が聞こえると何かで読んだことがあります。窓越しに見ているだけで、その音が聞こえているかのように感じました」

今でも、目を閉じて何か好きなものを思い浮かべようとすると、その欅の木が浮かんでくるのだそうです。そして娘さんが最期の瞬間まで、最後のひと呼吸まで力を尽くしたことも、それと重なるようによみがえると言います。

風薫る新緑の季節に、1度はわたしたちよりずっと長く生きてきた樹木を見に行こう。好きな木ができたら、ときどき会いに行こう。できればだけど、裸足になって土や芝を感じて。せめて靴は脱いで立ってみると、足の裏の感覚がどれほどいろんなことを自分に伝えてくるか驚くほどです。

今、自分の体が体験していることをただ受けとめる。もしかすると自分の腰や肩に不均衡さを感じることもあるだろう。それを正しても正さなくても、今この瞬間に体験していることとして受けとめてみる。ただ静かに立っているだけ。目の前に好きな木があれば、その木と姿を眺めながら、呼吸を意識しながら立っていよう。こうしてマインドフルに眺めたものは、非常に鮮やかな記憶として蓄えられます。そしてOさんの欅のように、必要なときに鮮やかによみがえります。

すこし立っていることに退屈を感じたら、その退屈な感じも味わってもうしばらく立っている。それも3回目になったらやめよう。

今回紹介するのは、立位足指で行うヨガです。部屋の中で行っても屋外でもおこなってもOKです。

立位で行う足指ヨガ① 膝、足先を正面に向けて立つ
② 右足のかかとを上げ、膝の向きを正面に向けたまま右足に重心をかける。親指
にしっかり体重をかける
③ 非常にゆっくりと膝を開いていく。人差し指、中指、薬指、小指と順番に。開いた膝を閉じて②にもどす。左足についても同様に

立位足指で行うヨガ

自然呼吸で行いましょう。意識的にゆっくり動作し、今、自分の足指にどんな体感がおきているのか1本ずつ感じながら行います。

① 膝、足先を正面に向けて立ちます。

② 右足のかかとを上げます。そして、膝の向きを正面に向けたまま右足に重心をかけましょう。親指にしっかり体重がかかるのを感じます。

③ 非常にゆっくりと膝を開いていきましょう。すると人差し指、中指、薬指、小指まで順番に刺激されていきます。開いた膝を閉じて②に戻します。小指から親指まで順々に刺激されていくのを感じてみましょう。次に左足についても同様に行います。

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