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肝っ玉弁護士がんのトラブル解決します 39
離婚後、がんに。消費者金融からお金を借りたが返せない
多彩な弁護士活動の中でも家族、相続などの問題を得意とする。2003年より「女性と仕事の未来館」館長。2児の母。2005年男女共同参画社会作り功労者内閣総理大臣表彰を受賞。『子宮癌のおかげです』(工作舎)など著書多数。
渥美雅子法律事務所 TEL:043-224-2624
私は5年前に夫と離婚しました。2カ月前、子宮頸がんとわかり手術しました。小学生の子供が1人いますので、フルタイムで働けずギリギリの生活でしたが、治療費などもかさみ、消費者金融から50万円借りました。現在、返済をしようと頑張っているのですが、利子の高さに返済がついていけません。どうしたらいいか途方にくれています。
(40代、女性)
利息制限法を守っているか確認を
消費者金融から50万円を借りて、高利のために返済が追いつかないとのことですが、まず、その貸し付けが利息制限法を守っているかどうか確認を取ってみて下さい。利息制限法で定められている利息の上限は、
○元本の額が10万円未満の場合、年2割
○元本の額が10万円以上100万円未満の場合、年1割8分
○元本の額が100万円以上の場合、年1割5分
ですから、借入金が50万円であるならば法律上その利率は1割8分(18%)を超えることはできません。大手金融会社からの借入れであれば、法を守っていると考えられますが、なかには守っていない会社もあります。念のために確認は必要です。
仮に法律で定める以上の高利であった場合、正しい利率で計算をし直すとオーバーした利息分は元本を返済したものとみなされるので、借金の残額が減る可能性もあります。それでも借金が残る場合、少しずつでも返済をしていけるのか、それとも全く返済ができないかで、その後の手段は変わります。
全く返済ができないのであれば、「破産手続」を行います。この手続は、簡単に言えば、債務の支払いを免除してもらう手続です。
また、少しずつでも返済して行けそうであれば、「任意整理」という手続をします。この手続は、借金の支払総額を現時点の残債額に確定し、それを分割で払っていく方法です。
これらの手続はご本人でもできますが、1度、弁護士か司法書士に相談されることをお勧めします。国の開設する相談窓口である「法テラス」では、原則として無料で相談に応じてくれますので、ぜひ、相談に行かれることをお勧めします。
それとは別に、今後あなたご自身の生活設計についてはどのように考えていらっしゃいますか。子宮頸がんの治療中であるならば、あまりハードな働き方もできないでしょう。
離婚したお連れ合いから養育費の支払いは無いのでしょうか。もしもこれまで支払いがなかったのならば、どうぞ家庭裁判所に調停を起こしてその支払を求めて下さい。
また、離婚したお連れ合いの居場所がわからないとか、わかっていても収入が無い状況であるならば、養育費の請求をするよりも生活保護の申請をなさって下さい。生活保護が認められれば生活扶助だけではなく、教育扶助、住宅扶助、医療扶助等があり、必要に応じてそれらの費用を支給してくれますから、借金に頼らず生活できるでしょう。