野崎洋光の旬を味わう免疫アップレシピ
1月の旬の食材「帆立・春菊・長ねぎ」で免疫アップ
帆立
日本では、貝が扇を開いたように末広がりで縁起が良い食べ物とされてきました。フランスでは名画「ヴィーナスの誕生」に由来し、ヴィーナスの貝と呼ばれます。精巣や卵巣も重宝されています。
春菊
16世紀初頭に中国から日本に伝来。原産地の地中海沿岸では観賞用として親しまれていますが、東南アジア、日本などでは食用。春に花が咲く菊ということから「春菊」と呼ばれています。
長ねぎ
日本には、8世紀以前に朝鮮半島を経て渡来。かつては呪術的印象から薬用、神事や祭事に使われていました。臭いが強いものという意味で、かつては「気」と呼ばれていました。
帆立とりんごなます
りんごと帆立の甘味が楽しめます。
材料(2人前)
・帆立(生食用)……4個(80g)
・りんご……1/2個(150g)
・きゅうり……1/2本
・煎りごま……大さじ1
・柚子……少々
A
・昆布出汁……400㏄
・酢……150㏄
・薄口醤油……50㏄
・みりん……50㏄
・砂糖……大さじ2
作り方
①りんごときゅうりは厚めのせん切りにして、1.5%の塩水につけ、しんなりさせておく。
②帆立は小さめにちぎり、小麦粉をしっかりと付け170度Cの油でさっと揚げる。
③Aを一煮立ちさせ、半量に②の帆立を漬けこみ、残りの半量は冷まして①のりんごときゅうり、ごまと柚子のせん切りを一緒に漬ける。
④合わせ酢に漬けた帆立を器に盛りつけ③を添える。
ポイント
帆立は火を通しすぎないようにし、予熱で火を加えると柔らかく仕上がります。
食材:帆立
アミノ酸の一種、タウリンを豊富に含みます。タウリンには身体や細胞を正常な状態に戻そうとする作用があります。血圧を下げ、肝臓の働きを高め、うっ血によるむくみ、息切れを改善し、がん・心臓病・高血圧・糖尿病に特に有効といわれています。
豚肉と春菊のからし浸し
春菊の辛みが食欲を刺激します。
材料(2人前)
・豚肉ばら肉……100g
・春菊……1束
・和からし……小さじ1/2
A
・昆布出汁……400㏄
・酢……150㏄
・薄口醤油……50㏄
・みりん……50㏄
・砂糖……大さじ2
作り方
①豚肉は一口大に切り、80℃ぐらいのお湯に20秒ほど入れて、ざるにあげておく。
②春菊はちぎり、熱湯でさっとゆで冷水に入れ、水気をきり、一口大に切っておく。
③鍋にAを入れ一煮立ちさせ、火を止め和からしを溶き入れる。①と②を入れて5分ほど浸してから、器に盛りつける。
ポイント
春菊の茎は捨てずに茹でて胡麻和えなどにしてもおいしくいただけます。
食材:春菊
春菊の主な薬効は、美肌、高血圧、便秘、がんの予防などです。独特の香りには、α-ビネン・ベンツアルデヒドが含まれており、自律神経に作用し胃腸の働きをよくし、精神を安定させます。咳を鎮めるともいわれています。春菊の緑色の色素成分であるクロロフィルは、コレステロール値を低下させ、血栓を予防する効果があります。
ねぎ稲荷
ねぎの香りが食欲を誘います。
材料(2人前)
・ご飯……150g
・長ねぎ……100g(みじん切り)
・じゃこ……10g
・薄揚げ……3枚
・濃口醤油……大さじ1、小さじ1
作り方
①フライパンに油をひき、火にかけ、ごはん、長ねぎ、じゃこを入れて炒める。全体がなじんできたら鍋肌に醤油大さじ1を入れて軽く焦がし、全体と混ぜ合わせる。
②薄揚げを2等分に切り、①を詰め込み、切り口を外に折り込む。
③フライパンに②を入れ、火にかけ両面をぱりっと焼き、仕上げに小さじ1の醤油をからめる。
ポイント
薄揚げは茶巾にできるものを用意します。
食材:長ねぎ
ねぎの成分アリシンはビタミンB1と結びついて、効果が強く、腸管からの吸収も良いアリチアミンを作ります。疲労回復や冷え性の改善にも効果があります。白い部分に含まれる硫化アリルには鎮静効果があり、刻むとより効果があがります。神経を刺激して消化液の分泌を盛んにして食欲がでます。
野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体に いいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ
「分とく山」花板・野崎洋光さんの免疫を整えるレシピが1冊の本にまとまりました。
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