野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」
12月の旬の食材「鱈・米・大根」で免疫アップ
鱈
雪の降る季節に味がよくなるので鱈という字が当てられたといわれます。大食漢で何でも食べるので「鱈腹(たらふく)食う」という言葉の語源になりました。すけとうだらのメスの卵巣はタラコや辛子明太子に加工されます。
米
様々な儀式や風習などに深く関わる特別な存在です。米という漢字を分解すると「八十八」になります。米作りのため八十八の手間がかかるといわれてきました。しっかりと熟成したこの季節が1番おいしくなります。
大根
ズッシリとした重みがあり、きめが細かくなめらかで葉も青々とした身の締まったものを選びましょう。おろし汁は消炎冷却効果があるので歯茎の腫れや軽度の口内炎にも効果的で咳や痰、ノドの痛み、声がれなどの民間薬として利用されます。
大根とツナの煮物
大根の甘さを味わうあっさりレシピ
材料(2人分)
・大根……200g
・ツナ……小缶1個(80g)
・長ねぎ……1/3本
・ブロッコリー……35g
・水溶き片栗粉……大さじ1弱
A
・水……500㏄
・昆布……3×3センチ
・薄口しょうゆ……20㏄
・酒……15㏄
作り方
① 大根はひと口大に切る。長ねぎは長さ4センチの白髪ねぎにする。
② 大根は柔らかくなるまで茹でておく。ブロッコリーは小房に分け茹でておく。
③ 鍋に②の大根とツナとAを入れて火にかけ、ひと煮立ちしたら弱火にして5分ほど煮る。
④ ③に水溶き片栗粉を入れてとろみをつけ、器に盛りつけ、ブロッコリーと白髪ねぎを乗せる。
ポイント
とろみをつけることによって味がからみやすくなります。
食材・大根
大根に含まれるアミラーゼ、ジアスターゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素には消化を助ける働きのほか、有害物質を駆除する効果や、発がん性物質の活動抑制効果などもあるといわれています。辛味成分であるメチルメカプランには、血栓の防止効果や解毒作用があり、生活習慣病やがんの予防効果などがあります。
白米飯
土鍋で炊いたおいしいご飯
材料(2人分)
・米……2合
・水……360㏄
作り方
① 米はボウルに入れ、優しく洗う。水がきれいになるまで何回か水を取り替える。
② 水をためて15分ほど浸水させて、ザルにあげて15分置く。
③ 土鍋に②の米と水を入れ、火にかける。最初は強火で炊き、沸騰したら火を弱めフタをずらす。
④ 軽く沸騰した状態を保ち、7分加熱し、フタをしてさらに火を弱め、7分加熱する。ごく弱火にして5分加熱する。
⑤ 火を止めて5分ほど蒸らし、ざっくり混ぜ合わせ、濡れ布巾をかけておく。
ポイント
米は浸水させて水気を切ることがポイントです。
食材・米
米のアミノ酸スコアは高く、必須アミノ酸であるリジンも小麦の2倍近くあります。また、消化吸収がゆっくりでエネルギーが持続的に供給さるので、お腹がすきにくく、太りにくいエネルギー源です。余分なエネルギーを脂肪に変えるインスリンの分泌もゆるやかなので、糖尿病やメタボリックシンドロームになりにくいといえます。
※炊き立ての土鍋ごはんに、大根とツナの煮物をかけて食べてもおいしくいただけます。
鱈葱味噌焼き
味噌の香ばしさが食欲を刺激する
材料(2人分)
・鱈……80g×2切れ
・わけぎ……50g(小口切り)
A
・雑穀……15g
水……60㏄
B
・田舎味噌……20g
・砂糖……小さじ1
作り方
① 鱈は軽く塩を振り、20分ほどおき、水で洗い、水気を拭いておく。
② 鍋にAを入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして3分ほど煮る。
③ ②の水分がなくなってきたら、わけぎとBを入れ、よく混ぜ合わせる。わけぎに火が通ったら火から外す。
④ ①をグリルで両面焼き、③の味噌を乗せて弱火で焼き色を付け、器に盛りつける。
ポイント
雑穀の歯ごたえを楽しむために、水の量に気を付けましょう。
食材・鱈
高 タンパク、低脂肪の代表的な白身魚です。ビタミンやミネラル、タウリン、グルタチオンが豊富です。グルタチオンは抗酸化作用で細胞の老化を抑制し、肝臓の 機能を高める効果などが期待されます。タウリンは余計なコレステロールが排泄され高血圧や生活習慣病の予防には大きな効果を発揮します。
野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ
牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き
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