FP黒田尚子の知ットク!がんマネー処世術 4

住宅ローン

イラスト/コヤマ ノリエ
発行:2013年4月
更新:2014年3月

  

FP黒田尚子 くろだ なおこ 1992年大学卒業後、大手シンクタンク勤務中にFPの資格を取得。1998年にFPとして独立後、個人に対するコンサルティング業務のかたわら、雑誌への執筆、講演活動などを行っている。乳がん体験者コーディネーター

今回は「住宅ローン返済」についてです。がん治療費は健康保険や高額療養費などでなんとかまかなえても住宅ローン返済まではなかなか手が回らず困っている……。そんな人にすぐに役立つ対処法をお知らせします!

働き盛りの40~50代でも襲われることの多いがん。まだ多くの住宅ローンが残っている世代です。がん治療費と住宅ローン、待ったなしの支出をどう乗り切ればよいのでしょうか?

がん患者の場合、闘病生活が長期にわたることも多く、毎月のローン返済に困るというケースもあります。また、夫婦で連帯債務型ローンや親子リレーローンなどを利用している場合、将来的に配偶者や親、子どもといった家族に返済負担がかかって来ることも考えられます。

そこで必ず覚えておきたいのは、何事も早めに対処を行うこと。実際に滞納した場合にどうなるか見てみましょう。

まず住宅ローンの支払いを滞納すると、2カ月目くらいまでは電話や督促状などで連絡がありますが、すぐに一括返済を求められるわけではありません。しかし、3カ月~半年と長引くと、借りている銀行などから一括返済を迫られます。それでも返済できなければ、保証会社に住宅ローンの債権が移り、保証会社がご本人に代わって金融機関に一括返済します。この時点で団体信用生命保険は失効し、ご本人が亡くなった後は、遺族が住宅ローン(マイナスの財産)を相続することになります。相続の対象はプラスの財産だけではないのですよ!

そのあと遺族は、保証会社から債権回収を請け負った業者に住宅ローンを返済し、最終的に返済できなければ、家は「競売」にかけられます。

そこで家が売却できても、売却代金が住宅ローン残債を下回れば、家を失うばかりか借金も残った状態が続いてしまいます。そんな最悪の事態を避けるためにはどうしたらよいのでしょうか?

まずはローンを組んでいる金融機関に返済方法の変更交渉にいくことです。具体的な返済方法の変更例としては、①返済期間の延長②据置期間の設定③据置期間中の金利引き下げ④一定期間の返済月額の減額⑤ボーナス返済のとりやめ-などがあります(住宅金融支援機構の例)。

ただし、返済期間を延長した場合、毎月の返済額は減りますが総返済額は増えます。ですから延長を行った後に、症状や収入が安定して余裕ができた時点で、再び返済期間を短縮するなどして、総返済額を抑えるよう見直すことが大切です。

どうしても返済が困難な場合は「任意売却」という手もあります。競売に比べて市場価格に近い金額で売却できる可能性が高くなります。ただし、一般の不動産会社では取り扱っていませんので、専門の不動産会社や弁護士などへの相談が必要です。

FP黒田尚子からのひと言

マイホームも大切ですが、家にこだわり過ぎると家計が破たんしてしまう元です。将来的なことも考慮して柔軟に対応するようにしましょう

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート10月 掲載記事更新!