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FP黒田尚子の知ットク!がんマネー処世術 6
クレジットカード払い
黒田尚子 くろだ なおこ 1992年大学卒業後、大手シンクタンク勤務中にFPの資格を取得。1998年にFPとして独立後、個人に対するコンサルティング業務のかたわら、雑誌への執筆、講演活動などを行っている。乳がん体験者コーディネーター
今回は「医療費のクレジットカード払い」です。最近では、病院でもクレジットカードが利用できるようになっています。そのメリットや賢い利用法、便利なサービスなど知っておきたい情報をまとめました。
がんは診断確定前から検査にお金がかかり、手術や入院、その後の治療などはいうまでもありません。その都度「おいくら?」と聞くこともできず、お金が足りるだろうかとドキドキした人も多いはず。
そんなときに便利なのが、医療費をクレジットカード払いにする方法です。数年前からある程度の規模の病院では、クレジットカードによる医療費の支払いができるようになっています。JCBやVISAなど提携先の全国の病院をホームページで検索できるクレジットカード会社もありますから、事前に確認することも可能です。
クレジットカードのメリットとして、手元に現金がなくても安心して受診できる点や分割払いやリボルビング払いで高額な医療費の支払いを平準化できる点などが挙げられます。
しかし、何と言っても最大のメリットはポイントが貯まること。がんの治療は長期にわたることが多く、その分高額化しやすいもの。ポイントを貯めて少しでも取り戻したいのが正直な所です。
そこで少しでもオトク度をアップさせるなら、ポイント還元率の高いカードを優先すべきです。例えば、ポイント還元率が1%のクレジットカードで100万円分買物をすると、1万円分の商品券との交換やキャッシュバックなどで還元されることに。ポイント還元率は0.5%が一般的ですが、1%以上のものを選ぶのがベストです。
また、クレジットカードには利用限度額が設定されており、原則としてそれ以上は使えません。利用限度額を超えそうなときは、クレジットカード会社に利用目的や時期等を連絡して、一時的に利用限度額を引き上げてもらう方法もあります。私も乳房再建手術のときには手続きしました。延滞がない等クレジットヒストリー(利用実績)次第ですが、イザというときのためにも、日頃からお金の管理はきちんとしておきましょう。
このほか多額の現金を持ち歩かずに支払いする方法として、「医療費あと払いサービス」(MCS)があります。これは口座振替やクレジットカード決済システムを利用した医療機関専用のキャッシュレスサービスで、病院がこのサービスを導入していれば利用可能。
事前登録後は、定期的に通院している病院を受診の際に「今日はMCSを利用します」と窓口で申し出ておけば、会計を待たずに帰宅できます。かかった医療費は月ごとに指定口座からまとめて引き落としされます。申込みや年会費は無料ですが、1回につき105円のサービス利用料が必要です。