外科手術が難しい場合、内科的な治療の方法は?

回答者:池田 公史
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科医師
発行:2007年4月
更新:2013年11月

  

先月、胆道がんと診断され、担当医から「胆道に閉塞があるため、外科手術は難しい」と告げられました。外科手術は本当に困難でしょうか。そうだとすると、内科的な治療にはどのようなものがありますか。

(茨城県 男性 55歳)

A 確立した治療法はまだないが、放射線治療と抗がん剤治療がある

胆道がんの多くは、胆道の閉塞を伴いますが、手術している症例は数多くあります。そのため、「胆道に閉塞があるために、外科手術が難しい」というのは、切除ができない理由としては適切ではないと思います。

胆道がんが切除可能かどうかは、がんの周囲の血管や臓器への広がりや転移病変の有無などが重要な要因です。したがって、がんが周囲の血管や臓器へ浸潤していたり、転移病変が存在したりするため、切除が困難なのではないかと考えられます。切除が本当に困難かどうかは、この文面だけでは判断できないので、担当医にもう1度確認されてはいかがでしょうか。納得できない場合は、セカンドオピニオンを受けるのも1つの方法だと思います。

図:胆道がん

また、「胆道がん」とお書きになっていますが、胆道がんは大きく「胆のうがん」「胆管がん」「乳頭部がん」の3つに分けられます。

ご相談者の胆道がんは、これらのどのがんか、また、そのがんの広がりがどの程度かは文面からはわかりません。したがって、内科的治療の詳しい内容は答えにくく、ここでは胆道がんの内科的治療の一般的なお話をします。

胆道がんの内科的治療には、放射線治療と抗がん剤治療(化学療法)があります。しかし、最適な治療法、すなわち標準的な治療法はまだ確立されていません。

放射線治療は、がんが胆道の周囲に限局している場合に行われることがあります。放射線治療には、体の外から放射線を当てる「体外照射」と、胆管の中に放射線の小線源を埋め込み治療する「腔内照射」があります。「体外照射」と「腔内照射」を併用して行われることもあります。どの治療がより良い放射線治療かは、まだ明らかにされていません。

化学療法は、切除不能な胆道がんの治療で中心的な役割を担っています。がんが肝内に限局している場合には、局所への効果を期待して肝動脈から抗がん剤の投与が行われることがありますが、通常、全身への効果を期待して経静脈的もしくは経口的に投与が行われる全身化学療法が一般的に選択されます。しかし、胆道がんにおいては治療効果の確実な抗がん剤はなく、標準的な治療は確立していません。その中でも最も期待されているのが、ジェムザール(一般名 塩酸ゲムシタビン)という抗がん剤です。日本では、昨年6月に胆道がんに対して保険承認されました。そのほかに、TS-1(一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムの配合剤)も期待されている内服の抗がん剤ですが、保険承認はまだされていません。

これらの放射線治療や抗がん剤治療はそれぞれ単独で行うこともありますし、併用して行うこともあります。しかし、いずれの方法も延命効果が証明されていないのが現状です。

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