進行上部胆管がん。薬物療法の効果は?

回答者:森実 千種
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科医師
発行:2013年4月
更新:2013年11月

  

進行性の上部胆管がんと診断されました。治療法としては、主治医からジェムザールとシスプラチンの薬物療法を勧められています。インターネットで調べたところ、ジェムザールとTS-1の併用療法も効果が高いという情報が得られました。実際のところ、この治療法はどうなのでしょうか。

(宮城県 女性 55歳)

A 大規模臨床試験が計画中

進行胆道がんに対して、現在、世界的に最も実績のある抗がん剤の組み合わせは、ジェムザールとシスプラチン(GC療法)です。ジェムザールとTS-1の組み合わせ(GS療法)に関する治療成績も少しずつ報告されてきており、GC療法と同等かそれ以上の効果が見込めるのでなないかと期待されています。

GS療法は、GC療法よりも点滴時間が短くて済むという点も魅力です。そのため現在、GC療法とGS療法のどちらがよりよい治療法かを比較する大規模な多施設共同臨床試験が、日本で計画されています。

しかし、あくまでも現時点では「期待されている」というだけで、実際にGC療法よりも優れた治療効果が、GS療法で確認されたわけではありません。このような状況のもとでは、多施設共同臨床試験の結果を待たずして日常診療でGS療法を行うのは時期尚早かもしれません。

実際に「よりよい治療法だろう」と期待して新しい治療法の臨床試験が行われたけれど、試験の結果「新しい治療法が良いとはいえなかった」という結果に終わった過去の臨床試験の事例もあります。

ジェムザール=一般名ゲムシタビン シスプラチン=商品名ブリプラチン/ランダ TS-1=一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム

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