重粒子線治療とは?胆管がんで可能か?

回答者:森実 千種
国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科医師
発行:2012年4月
更新:2013年11月

  

76歳になる父について質問します。父は先日、胆管がんであるといわれました。年齢的にも高齢であり、手術が難しいと診断され、現在は、化学放射線療法を行っています。最近、放射線治療でも、体に負担が少ない重粒子線治療というものがあるということを知ったのですが、これは、具体的にはどのような治療法なのでしょうか? また、この治療法は父のような胆管がんであっても受けることはできるのでしょうか?

(群馬県 女性 42歳)

A がんの境界が不明。放射線の感受性もよくない

重粒子線治療は、通常の放射線治療と比べて、線量分布に優れた治療です。線量分布が優れているというのは、狙ったターゲット(腫瘍)には、より強く放射線を当てることができ、それ以外の正常な組織への影響を減らすことのできる治療法ということです。そのため、非常に将来性の高い治療法です。

ご相談の胆管がんに対しての重粒子線治療ですが、残念ながら、胆管がんは腫瘍の存在範囲の境界が非常にわかりづらく、放射線に対する感受性もあまりよくないといわれているため、現時点において期待されている治療とはいえず、積極的に試みられてはいません。

また、このことは胆管がんに限らず胆道にできるがんに対して全体的にいえます。

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