尿路ストーマだが、漏れてしまう。解決策は?
膀胱がんの治療で、尿路ストーマ(ウロストミー)を造設して2年目になりますが、ストーマに問題があるようで、いつも横溝から尿が漏れてしまいます。ちなみにストーマは、臍(へそ)のようになっていて、大きな横溝があります。オストメイトの集まりに参加しても、ウロストミーの人が少なく、なかなか悩みを相談できません。また、医師やWOC(ウォック)ナース(皮膚・排泄ケア認定看護師)の方に相談しても、なかなかうまくいきません。何か良い方法などありませんでしょうか。
(72歳 男性 高知県)
A 凸型のフランジと保護材で改善する可能性も
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん
通常ストーマは、皮膚表面に盛り上げて造設するのですが、恐らくご相談者の場合、何らかの理由で、ストーマが相対的に引っ込んでしまう、陥没ストーマの状態となっているのだと考えられます。スト-マに溝が出来て、その隙間から尿が漏れているので、溝に尿が浸み入らないように工夫する必要があります。
対応としては、フランジ(ストーマ装具である面板<めんいた>とストーマ袋を接合する部品)として、凸(とつ)型のものを使い、それをストーマの溝に合わせて折り曲げ、その上で溝に保護材(ペースト状やスティック状など様々あり)を補填(ほてん)することで、上手くいくことが期待できます。
ただ、どのようなフランジ、保護材を用いれば良いかは、その人それぞれで状況が異なりますので、一般的にはWOCナース、あるいは直接業者の方に相談して頂くのが良いかと思います。
もし、かかりつけの病院が、ウロストミーの症例数が少ない、あるいはストーマ専門外来がない施設であれば、日本オストミー協会でストーマ専門外来を紹介していますので、そちらに連絡しても良いでしょう(日本オストミー協会のホームページでは、ストーマ外来のある病院を検索することが可能)。また、日本オストミー協会ではウロストミーの患者会なども管轄していると思うので、情報交換の場として、そういった会に参加しても良いかと思います。
現在当院では、これから手術で回腸導管(かいちょうどうかん)を造設する患者さんを対象に、「術前のオストメイトビジター訪問」といって、ボランティアとしてすでに回腸導管を造設している患者さんに来て頂いて、ご自身の体験を話して頂くような場を設けています。もちろん、ご希望に応じて提供していますが、参加した患者さんの多くは、術前の不安が吹き飛んだとおっしゃる人が多いです。
ストーマ管理には何らかのトラブルがつきものです。ただ、その人に合ったやり方で必ず解決策はありますので、ぜひ諦(あきら)めずに相談してみて下さい。