尿意を我慢できない
2020年5月、右腎盂(じんう)がんのため右腎臓を摘出。その後の経過観察時の膀胱鏡検査で膀胱の出口付近に小さな腫瘍が見つかったため、2023年2月TUR-Bt(経尿道的膀胱腫瘍切除)で切除しました。幸いにも腫瘍は良性で術後、1週間で退院しました。
退院後、尿失禁と頻尿がひどく、夜中に何度も目が覚めてトイレに駆け込む状態が続いていて、家族が疲弊しています。この状態がいつまで続くかとても不安です。週1回主治医の診察を受けていますが、エコーでは「膀胱に150mlしか尿は貯まっていないので、尿意を我慢する訓練をしてください」と言われただけです。手術前の状態に戻ることはないのでしょうか。
(81歳 男性 兵庫県)
A 時間が経てば症状も改善する
がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん
膀胱の出口付近は膀胱頸部と呼ばれ、膀胱の中でも敏感な部位です。手術の際に電気メスで焼いて血を止めるため、膀胱頸部が火傷を負い、炎症を起こした状態となっていることが原因と考えられます。
膀胱の痛みは尿意として感じられます。そのため、少ししか尿が貯まっていない状況が考えられます。時間が経てば炎症も治まり、症状も軽快していくと思います。