パドセブの副作用は?

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2024年10月
更新:2024年10月

  

2022年に膀胱がんと診断され、2023年までに3度手術して切除しました。2023年12月からキイトルーダを半年ほど投与されましたが、治療効果はほとんどありませんでした。主治医から次の治療法としてパドセブを勧められていますが、副作用はどうなのでしょうか。

(76歳 女性 東京都)

皮膚障害と末梢神経障害の頻度が高い

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

膀胱がん(尿路上皮がん)に対する免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダ(一般名ペムブロリズマブ)は、一般的に切除不能な膀胱がんの患者さんのうち抗がん薬による全身治療の効果がみられなくなった場合の2次治療として投与されます。

抗体薬物複合体(ADC)パドセブ(一般名エンホルツマブ ベドチン)は、2次治療のキイトルーダの効果がみられない場合の3次治療として投与されます。

パドセブが保険診療として承認されるに至った臨床試験では、約40%の患者さんに腫瘍縮小効果がみられています。副作用は皮膚障害と末梢神経障害の頻度が高く、皮膚障害に対しては保湿剤やステロイド軟膏が用いられます。

パドセブが効果がなかった場合、有効性が証明された次の治療は残念ながらない現状です。もし相談者が適格基準を満たす新薬の治験が行われていれば、治験への参加をご検討いただくことになるかと思います。

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