急性骨髄性白血病(AML)、化学療法を反対された
81歳の父のことでご相談です。3カ月前Blast3と言われ精密検査の結果、急性骨髄性白血病(AML)と診断されました。その後、小腸にリンパ腫が5つあるとわかりました。2つの病院で治療法を相談しました。1つの病院では年齢や病歴などから「支持療法」といわれ、化学療法をお願いしましたが、反対されました。2つ目の病院では「支持療法を勧めますが、本人の希望があれば少量の化学療法を行います」といわれました。
81歳で食も細く、身長165㎝、体重53㎏です。本人は少しでも希望があれば化学療法を行いがっています。現在、出血、アザはなく、元気にしています。白血球数(WBC)2,440、赤血球数(RBC)270で、現在、ブリディニン、プレマリン、タケプロンを服用しています。そこでご相談ですが、支持療法では余命の目安はどのくらいでしょうか。また出血やアザ貧血で輸血を始めた場合はどのくらい持つものでしょうか。
(48歳 男性 三重県)
A 化学療法を行わず入院を先送りにする選択肢もある
血液内科副部長の塚田さん
まず、急性骨髄性白血病にリンパ腫が合併することは稀と思います。ここでは急性骨髄性白血病についてコメントしますが、支持療法による余命の目安は正直なところまったくわかりません。急性骨髄性白血病といっても、どのような染色体の異常、遺伝子の異常があるか、白血病細胞の増加の速さ、好中球の数、輸血の頻度などによって余命は大きく変わってきます。進行がゆっくりである場合、輸血や感染の予防・治療などにより、半年~1年維持できる可能性もあります。
一方で、月単位で進行してしまう場合もあります。現在無治療でお元気に過ごされているのであれば、食べたいものを食べたり、やりたいことをやったりしながら、化学療法を行わずにできる限り入院を先送りにするという選択肢もあると思います。化学療法については、副作用についてもよく説明を受けたうえで、ご本人の意思を確認しながら考えてみてはいかがでしょうか。