病型M4の急性骨髄性白血病。最適な治療法は?

回答者:秋山 秀樹
東京都立駒込病院 血液内科医長
発行:2007年10月
更新:2013年12月

  

59歳の父のことで相談です。最近、急性骨髄性白血病と診断されました。病型はM4とのことです。複数の抗がん剤を組み合わせた化学療法を勧められていますが、その副作用がどうか気になっています。それに以前から高血圧が持病です。最近になって、マイロターグという新しい分子標的薬が開発されて、治療に使われるようになったと聞いています。可能ならば、副作用ができるだけ少なくて、より有効な治療法を選びたいと考えています。アドバイスをお願いします。

(兵庫県 女性 30歳)

A 複数の抗がん剤を組み合わせた治療を

ご指摘のマイロターグ(一般名ゲムツズマブオゾガマイシン)は、現在、日本では急性骨髄性白血病の再発または難治性の症例を対象に、単剤での使用だけが認められています。ですから、診断されて、最初にこの薬を使用することはできません。また、その使用方法と治療効果はまだ検討段階にあります。病状のどの段階で、どの薬と、どのような組み合わせで治療を行ったらよいのか、残念ながらまだわかっていません。

このように、治療開始時からマイロターグの使用は無理なので、複数の抗がん剤を組み合わせた治療をお勧めします。59歳と若いですから、治療には十分に耐えられると思います。ただし、その副作用は軽くはないでしょう。

マイロターグには、肝障害という特異の副作用が報告されています。長期的に影響する可能性があります。とくに、移植したあとで使用すると、この副作用が出やすいようです。説明をしっかりと聞いて、納得してから治療を受けるようにしてください。

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