68歳の父。元気なうちに骨髄移植を行ってくれる病院に転院を勧めたほうがいいか
68歳の父のことでご相談です。父は急性骨髄性白血病(AML)、FLT3遺伝子変異ありと診断され、入院して化学療法を受けました。ただ、FLT3遺伝子に変異がある人は治りにくい、と主治医から説明を受けました。その後、地固め療法も終わり現在は寛解状態です。
男性のほうが治療成績は悪いと聞き、また、75歳以下なら骨髄移植をやるべきだと本で読んで、父が元気なうちに骨髄移植をしたほうがいいのではないか、と主治医に相談しました。
ところが、父がお世話になっている病院は、65歳までの患者さんにしか骨髄移植を行っていないとのことでした。病院によって年齢はバラバラのようですが、元気なうちに骨髄移植を行ってくれる病院に変わることを考えるのは無謀でしょうか。ただ、父は今の病院でいいと言っているため、父の意思を尊重すべきか悩んでいます。
(40歳 女性 東京都)
A セカンドオピニオンを受けることを勧めます
血液内科副部長の塚田さん
FLT3遺伝子変異を伴う急性骨髄性白血病でありながら、寛解状態を維持しているということで、治療経過は順調なようです。75歳以下なら同種移植を行うというのは一般的でなく、65歳以下、または70歳以下で臓器の予備能力が保たれている方を対象とする施設が多いと思います。
68歳の患者さんに同種移植を行うか否かについては施設によって方針が異なると思います。また最近はゾスパタ(一般名ギルテリチニブ)やヴァンフリタ(同キザルチニブ)などのFLT3阻害薬が発売されており、このような薬剤と同種移植をどのように位置づけるかについてもコンセンサスが得られていないと思います。
ご本人はご希望されていないかもしれませんが、一度セカンドオピニオンをお受けになることをお勧めします。ご本人およびご家族が納得して治療に望めるのではないかと思います。最終的にはつらい治療をお受けになるのはご本人ですので、ご本人の意思が最優先されるべきなのは言うまでもありません。