乳がんの骨転移。痛みの緩和と治療は(2)

回答者:山下 浩介
神奈川県立がんセンター 放射線治療科医長
発行:2004年3月
更新:2013年11月

  

5年前に乳がんの手術を受け、2年ほどで肺に6~8ミリの転移巣が複数見つかりました。アドリアシン(一般名 アドリアマイシン)などの治療を受け、肺の転移は画像上なくなりましたが1年前、腰椎と足のつけ根に骨転移がみつかり、放射線照射とタキソテール(一般名 ドセタキセル)の投与を受けました。現在胸水がかなりありますが、苦しくはありません。ただ、骨盤の痛みが少しずつ強くなってきています。痛み止めの薬はなるべく飲まずに済ませたいとついついがまんしてしまいます。できることはしておきたいのですが、どんな治療が考えられるでしょうか。

(千葉県 女性 41歳)

A まだ使える抗がん剤がありそう

代表的な抗がん剤がこれまでに2種類用いられていますが、まだ使える抗がん剤がありそうです。ただ、3番目の抗がん剤治療は、1番目、2番目のものとは、効果・副作用が少し違ってくると考えられますので、説明の内容をよく検討した上で治療を受けられるかどうか決められるとよいでしょう。

胸水が増えてきて呼吸困難の症状が出るようでしたら、向山さんのおっしゃる胸腔ドレナージを考えられるとよいと思います。痛みと同様に、呼吸困難も患者さんにかなりのストレスを与えます。

痛みに対して、薬をお飲みになりたくない気持ちはよく分かりますが、日常の行動に制限が出てきたり、精神的にきつくなったりするようでしたら、服用されることをおすすめします。癖になることや、これから先効かなくなることを心配される方が多いのですが、モルヒネも含めた鎮痛薬の使用法がよく研究されてきていますので、あまり心配されなくても大丈夫です。

また、ご質問の内容ですと、前回放射線治療した場所と今回痛む場所が少し違っているようにも思えます。放射線治療は、副作用の関係から通常は同じ場所には照射できませんが、別の部位や離れた場所でしたら実施できる場合があります。もし、放射線治療ができるようですと、ご希望のように、痛み止めを飲まないでもすむかもしれません。

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