MSコンチンの吐き気を抑えたい(2)

回答者:山下 浩介
神奈川県立がんセンター 放射線治療科医長
発行:2004年3月
更新:2013年11月

  

3年半前に乳がんの全摘手術を受けましたが、2年もしないうちに脊椎、骨盤、頸椎に転移が見つかりました。痛み止めにMSコンチン(一般名 硫酸モルヒネ徐放剤)を使っていますが、痛みは抑えられるかわりに吐いてしまうのがつらいのです。主治医は慣れだとよいますが、少量でも、貼るタイプのものでもだめでした。痛みと吐き気さえ抑えられれば、何とか普通に生活ができるのですが、よい方法はないでしょうか。

(静岡県 女性 32歳)

A 可能なら抗がん剤治療やホルモン療法も検討

この方のようにモルヒネの副作用が強く出る方がたまにいらっしゃいます。食事や体動との関係など、吐き気の起こり方によって対処する方法も少し違ってくる場合もあります。

また、がんに対する治療のお話が出てきていませんが、もし可能でしたら抗がん剤治療や内分泌(ホルモン)療法も検討されてはいかがでしょうか。がんが小さくなれば、痛みが軽減するのは、しばしば経験することです。

今回のように、いろいろなところに転移がある場合は、全身の病変に対して治療効果が期待できる抗がん剤治療がまず検討されます。放射線治療は、局所療法といって放射線をかけた部分にしか効かないので、通常は行われません。しかし、一口に骨の転移がたくさんあるといっても、すべての場所がみな同じように進行しているわけではありません。がんが、骨の一部を壊しているだけの部位もありますし、たくさん骨を破壊しているところもあります。

痛みが特定の場所に限局している場合は、多発する骨転移の場合でも放射線治療が痛みの緩和方法として有効な場合があります。痛み止めの副作用がなかなか軽減されない場合は、主治医や放射線治療の担当医に1度相談してみるとよいでしょう。


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