手術から7年後の骨転移。治療法と余命は?

回答者・上野貴史
板橋中央総合病院外科医師
発行:2014年12月
更新:2015年3月

  

7年前、乳房温存手術を受けました。がんの大きさは2.2cm、ホルモン受容体陽性、HER2陰性、リンパ節転移が1個あったため、右脇のリンパ節(腋窩リンパ節)を郭清しました。退院後はリュープリンの皮下注射を2年間、ノルバデックスを5年間服用しました。手術時は閉経前でしたが、その後閉経しました。今年(2014年)になって腰痛がひどくなり、検査の結果骨転移が判明。頭蓋骨、胸骨、頸椎など無数に転移していました。今後の治療法と余命について教えてください。

(53歳 女性 長野県)

アロマターゼ阻害薬と骨転移の治療を

板橋中央総合病院外科医師の
上野貴史さん

ホルモン受容体陽性の方で再発が発見された場合、生命を脅かす状況でなければ、抗がん薬ではなくホルモン薬で治療を開始するのが標準です。ご質問の方は、術後の補助療法から2年が経過し、現在は閉経されているということですから、AI剤(アロマターゼ阻害薬=アリミデックス、アロマシン、フェマーラ)の服用が標準治療となります。

ノルバデックスの再開でも効果がある可能性はありますが、AI剤のほうがより有効なことが臨床試験で証明されています。AI剤が効かなくなった場合には、フェソロデックスなどのホルモン薬に変更します。ホルモン薬に抵抗が生じてすべてのホルモン薬が無効となった場合には、化学療法が選択されます。

また、破骨細胞抑制薬である皮下注射薬ランマークや、ビスホスホネート製剤のゾメタなどの点滴静注薬を投与することで骨関連合併症の発症時期を遅らせることができます。

骨痛が生じた場合には放射線照射が有効なことが多く、オピオイド製薬で除痛をはかります。病的骨折、脊髄圧迫が重大な合併症であり、まれに予防的手術が行われることもあります。余命については、無数に骨転移があるということですので何とも言えませんが、平均的には2~5年です。骨だけで肺や肝臓などへの転移がなければ、長期コントロールできる場合もあります。

リュープリン=一般名酢酸リュープロレン ノルバデックス=一般名タモキシフェン アリミデックス=一般名アナストロゾール アロマシン=一般名エキセメスタン フェマーラ=一般名レトロゾール フェソロデックス=一般名フルベストラント ランマーク=一般名デノスマブ ゾメタ=一般名ゾレドロン酸

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