MSコンチンの吐き気を抑えたい(1)

回答者:向山 雄人
東京都保健医療公社豊島病院 緩和ケア科医長
発行:2004年3月
更新:2013年12月

  

3年半前に乳がんの全摘手術を受けましたが、2年もしないうちに脊椎、骨盤、頸椎に転移が見つかりました。痛み止めにMSコンチン(一般名 硫酸モルヒネ徐放剤)を使っていますが、痛みは抑えられるかわりに吐いてしまうのがつらいのです。主治医は慣れだとよいますが、少量でも、貼るタイプのものでもだめでした。痛みと吐き気さえ抑えられれば、何とか普通に生活ができるのですが、よい方法はないでしょうか。

(静岡県 女性 32歳)

A モルヒネ不耐性だと思われます

モルヒネ不耐性だと思われますが、時に吐き気の原因が骨転移による高カルシウム血症によるものである場合もありますので、注意が必要です。もし、まだ投与されていないのであれば、吐き気に対し、ノバミンとプリンペランの併用で抑えられるか試してみてください。

また、骨痛に比較的効くといわれている非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)やアセトアミノフェンはお使いになったでしょうか。デュロテップ・パッチ(一般名 フェンタニル)も合わなかったとなると、オキシコンチン(一般名 塩酸オキシコドン徐放剤)はいかがでしょうか。MSコンチンやフェンタニルと同様、強オピオイドでありながら、これらの薬剤と比べて、便秘や眠気、吐き気などの副作用がより少ないとされています。

併せて、病的骨折を起こしやすい箇所へは、放射線照射を行います。

ところで、ほかの治療についての記述がないのですが、現在何か治療はされていらっしゃるのでしょうか。ホルモン受容体やHER-2の情報が書かれていないのですが、今後ホルモン療法を先に行うか、化学療法を先行すべきかに、これらの情報は必須です。

もしもエストロゲン・レセプターが陽性ならゾラデックス(一般名 ゴセレリン)やリュープリン(一般名 リュープロレリン)による治療が有効ですし、HER-2がプラスならばハーセプチン(一般名 トラスツズマブ)とタキソール(一般名 パクリタキセル)の治療が考慮されます。

もし、HER-2やホルモンレセプターが陰性だった場合には、アントラサイクリン系の抗がん剤やタキサン系の抗がん剤を軸とした化学療法を検討します。また、ヒスロンH(一般名 メドロキシプロゲステロンアセテート)のように、骨に有効とされるホルモン剤もあります。

米国ではがんの骨転移に対し、ビスフォスフォネート製剤による治療が強く推奨されています。しかし、本邦では残念ながらがんの骨転移に対する適応がありません。


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