乳がんの骨転移。痛みの緩和と治療は(1)

回答者:向山 雄人
東京都保健医療公社豊島病院 緩和ケア科医長
発行:2004年3月
更新:2013年12月

  

5年前に乳がんの手術を受け、2年ほどで肺に6~8ミリの転移巣が複数見つかりました。アドリアシン(一般名 アドリアマイシン)などの治療を受け、肺の転移は画像上なくなりましたが1年前、腰椎と足のつけ根に骨転移がみつかり、放射線照射とタキソテール(一般名 ドセタキセル)の投与を受けました。現在胸水がかなりありますが、苦しくはありません。ただ、骨盤の痛みが少しずつ強くなってきています。痛み止めの薬はなるべく飲まずに済ませたいとついついがまんしてしまいます。できることはしておきたいのですが、どんな治療が考えられるでしょうか。

(千葉県 女性 41歳)

A 転移巣におけるホルモン受容体やHER-2を調べたいところです

肺転移が複数ある場合には、画像などではみえない転移巣があるものと考え、あなたが受けられたように、全身に対する治療を行うのが一般的です。

今後の治療を決める際には、転移巣におけるホルモン受容体やHER-2を調べたいところです。肺のこまかな複数の転移巣は胸腔鏡手術などで取れるかもしれませんが、侵襲の度合いも強くなることが予想されるのであまりおすすめできません。しかし、胸水中のがん細胞でそれらを調べておくことはよい方法かもしれません。

全身の状態にもよりますが、胸水が増えてきたら、1度抜いた上で、ピシバニール(OK-432)などによる胸膜癒着術を受けられたほうがよいかもしれません。胸水の増え方が少ない場合には、三次治療薬となるゼローダ(一般名 カペシタビン)による治療を受けられた上で、胸水に対する治療をされてもよろしいかと思います。

骨盤の痛みに対しては、世界保健機関(WHO)方式のがん疼痛治療法に加えて放射線治療を行う必要があります。ゼローダもしくは放射線照射の効果があらわれれば、痛み止めを中止することができますので、痛みをがまんせずにきちんと薬も飲みましょう。

[WHO方式の3段階の除痛のラダー]

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