手術した部分が痛む。再発かと心配
2年前に右乳がん(硬がん)の手術をしました。がんの大きさは2.3センチ×2.1センチ×1.3センチで、リンパ節転移は4つ以上ありました。核異形はグレード2で、ステージは2Bと診断されました。再発のリスクが高いことから、術後の化学療法を行いました。今回お聞きしたいのは、手術以来、切除した周辺、右肩、右腕に時々感じる痛みについてです。主治医に話すと、「時々あること」といわれ、痛み止めなどの薬を処方されましたが、再発や転移ではないかと思い、心配しています。
(神奈川県 女性 77歳)
A 傷の疼きの可能性が高い
手術した部分に痛みがあるとのことですが、通常は局所再発した部分が痛むことはなく、おそらく手術した傷が原因の痛みだと考えられます。
万が一再発について考えるならば、右肩周囲への骨転移が挙げられますが、その場合の痛みは持続性のことが多く、時々感じる痛みではその可能性は低いといえます。どうしても心配ならば、骨のレントゲン検査や、骨シンチ検査などで、骨転移の可能性を調べることになりますが、ご相談者の場合にはあまり考えられにくく、主治医の考える経過観察方針でよいのではないかと思われます。痛みが増強するようなら検査をすればよいでしょう。手術後の疼痛のなかには、手術時に交感神経が損傷したことが原因で切除部の皮膚にしびれるような痛みが続く乳房切除後疼痛症候群というものがあります。この場合は、神経系の痛みに対して有効な三環系抗うつ剤を使って治療することがあります。
ご相談者の場合は、切除部が時々痛むという程度であり、この症候群の範疇とは考えにくく、対症的治療で問題ないでしょう。