妊娠後に子宮頸がん。出産するためのよい方法は?

回答者●関口 勲
栃木県立がんセンター産婦人科・第1病棟部長
発行:2011年2月
更新:2019年10月

  

妊娠3カ月の主婦です。産婦人科で子宮の詳しい検査(生検組織診)を受けたところ、子宮頸がんに罹っていることがわかりました。病期はおそらく1a期だが、微小浸潤がん以上に進行しているおそれがあるとのこと。担当医の先生はまず円錐切除術を勧めています。まさに天国から地獄に突き落とされたようなショックを受けていますが、先生から、子宮頸がんでも妊娠を継続して赤ちゃんを産むことは不可能ではないと言われました。私はまだ子供がなく、流産の経験もあって、夫ともども出産を強く希望しています。どのような方法がよいのか、ぜひ教えてください。

(34歳 女性 岐阜県)

分娩後にがんを治療する方法も

栃木県立がんセンター
産婦人科・第1病棟部長の関口さん

妊娠初期に発見された子宮頸がんは、患者さんに出産希望があって、子宮頸部上皮内がん(病期0期)と1a1期の微小浸潤がん(子宮の基底膜より深さ3ミリ以内の浸潤)の場合、分娩まで経過観察し、分娩後にがんの治療を行うのが一般的です。これらの初期がんは進行が遅く、リンパ節転移の頻度も低いからです。

初期の子宮頸がんの場合、通常は子宮頸部を部分切除する子宮頸部円錐切除術が行われます。妊娠希望があって、まだ妊娠していない人には円錐切除術が推奨されますが、妊婦さんに円錐切除術を行うと、術後出血、流産・早産、分娩時大量出血などの危険を伴うことも、分娩後にがん治療を行う理由です。

ただし、生検(病変から組織を採取して調べる病理検査)などの結果、1a2期の微小浸潤がん(子宮の基底膜より深さ3ミリ超5ミリ以内の浸潤)や浸潤がん(1b期)の可能性がある場合は、診断を確定する意味もあって、妊娠中であっても、まず円錐切除術が推奨されます(ただし、実施できるのは妊娠15週まで)。浸潤がんと診断されれば、分娩時期や分娩方法を検討する必要が出てくるからです。妊娠中に円錐切除術を行う場合、同時に「頸管縫縮術」といって、子宮頸管を糸で円形に縛って流産・早産を予防する手術を行うことも少なくありません(糸は妊娠9カ月で外す)。

もし、浸潤がんだった場合、がんが進行したり、リンパ節に転移したりする危険が大きいので、胎児の胎外生活(母体から離れて生きること)が可能になる時期(妊娠22~28週以降)を待って、経腟分娩(腟からの分娩)か帝王切開(子宮切開による腹部からの分娩)かを選び、その後、速やかにがんの治療を行います。可能であれば、帝王切開と同時に子宮全摘術を行うケースもあります。ほかの対応としては、妊娠を諦めて中絶をし、がんの治療をすることもあります。

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