子宮頸がんのワクチンは、何歳までに受けるとよいか
子宮頸がんのワクチン(予防注射)のことでご質問します。私は現在37歳で、子宮頸がんのワクチンを接種したいと思っています。しかし、インターネットで調べたところ、子宮頸がんのワクチンを接種する年齢は小学校高学年から中学生ぐらいまでと書かれてあるサイトがありました。何歳くらいまでにワクチンを接種すれば、子宮頸がんの予防効果が期待できるのでしょうか。私は今からワクチンを接種しても、効き目はないのでしょうか。また、1回受けるだけでも効果はあるのでしょうか。保険は使えるでしょうか。
(岡山県 女性 37歳)
A 45歳くらいまでは一定の効果が期待できる
化学療法センター長の宮城悦子さん
子宮頸がんのワクチン(ヒトパピローマウイルス・ワクチン=HPVワクチン)は、性交を体験していないうちに受けると、最も効果があります。そのため、日本産科婦人科学会や日本小児科学会などでは、多くが性交未体験と考えられる11~14歳の女子に対して、HPVワクチンを接種することを強く推奨しています。
また一方、性体験のある15歳以上の女性であっても、HPVワクチンには一定の効果があることが海外の論文によって明らかにされています。そのため、前記の学会などでは、15~45歳の女性に対しても、HPVワクチンの接種を推奨しています。ご相談者は37歳ですから、今からでも受けることで、子宮頸がんを予防する一定の効果は期待できるでしょう。
HPVワクチンの接種回数は3回です。1~2回の接種では十分な抗体ができないため、3回受けることが必要です。1回目を行い、2回目はその1カ月後、3回目は2回目の5カ月後に行うのが一般的な接種法です。
HPVワクチンの効果がどれくらい続くのかは、まだはっきりとはわかっていません。しかし今のところ、規定どおりに3回接種した場合は、20年以上、16型と18型のHPVの感染を防ぐのに十分な量の抗体ができると推定されています。しかし、子宮頸がんに関連するHPVは約15種類あり、現在のHPVワクチンの子宮頸がんの予防効果は全体で60~70パーセントです。それを100パーセントに近づけるには、HPVワクチン接種を受けた後でも、子宮頸がん検診を受けることが重要です。
また、HPVワクチンの接種には保険は適用されず、料金は医療施設によって異なりますが、3回合計で約5万円で接種している施設が多いです。高額ではありますが、子宮頸がんの予防効果を考えると、受ける意味は大きいでしょう。