子宮頸がんの手術後、排尿障害が心配
子宮頸がん(扁平上皮がん)の1b1期と診断されました。手術(広汎子宮全摘術)を受ける予定ですが、手術後に排尿障害が起こることがあると聞き、不安です。排尿障害とは、具体的にどんな障害でしょうか。また、排尿障害はどれぐらいの割合で起こるのでしょうか。排尿障害が起きた場合、有効な対策はあるでしょうか。
(福島県 女性 49歳)
A 一時的に排尿できなくなるが、多くは回復する
広汎子宮全摘術を行うと、必ずと言ってよいほど、膀胱機能を司る神経を損傷し、排尿障害が起こります。神経を温存する手術を行う医療施設が増えていますが、それでも多くの場合、多少の神経の損傷は起こりえます。
排尿障害とは主に、自分で尿を出したくても出せなくなることで、ほかには残尿感や尿漏れなどが起こることもあります。排尿できない場合は、看護師などに導尿してもらうことが必要です。一過性のことが多く、一般的には、手術して2週間後くらいから、徐々によくなってきます。
ただし、高齢者やがんがかなり進行している人、糖尿病による神経障害がある人などは回復が遅れることもあります。その場合には、退院後、鏡を見ながら、自分で尿道口にカテーテルを入れて排尿(自己導尿)することになります。なかには、一生、排尿障害が残る人(自己導尿を一生しないといけない人)もいて、その割合は、当院の場合、広汎子宮全摘術を受けた人の5パーセント以下です。
また、1度よくなっても、膀胱炎などを起こすことがあります。そのため、膀胱に尿をためすぎないように、時間を決めて、比較的頻回に排尿することなどが大切です。また、排尿を促し、残尿を軽減する薬もありますし、婦人科医と泌尿器科医が協力して治療に当たることもあります。