子宮頸がんの発症に、ウイルスが関係していると聞いたが
数年前に検診で、子宮頸がん(扁平上皮がん)が見つかりました。0期とのことで、レーザーを用いた子宮頸部円錐切除術と呼ばれる治療を受けました。切除断端はマイナス(-)とのことでした。早期だったので、治療成績はかなりよいとの説明を受けていますが、それでも再発のことが心配になります。発症には、ウイルスが関係していると聞きました。私の受けた治療で、ウイルスはすべて消えたと考えてもよいのでしょうか。関係するウイルスをすべて身体から消し去る治療法はあるのでしょうか。
(愛媛県 女性 36歳)
A ありふれたウイルス。あまり神経質になる必要はない
子宮頸がん0期で治療した結果、通常の細胞診(生体から採取した細胞を顕微鏡によって検査し、病気を判定する診断法)とコルポスコピー(腟内にカメラ機器を挿入し、子宮頸部を拡大観察する検査)法による検査で異常のサインがなくなれば、それで治ったと考えてよいかと思います。ウイルスにはあまり神経質になる必要はありません。
子宮頸がんに関係するHPV(ヒトパピローマウイルス)はありふれたウイルスで、一般女性でも約30パーセントから検出されます。ウイルスが消えているかどうかを検査することは可能ですが、この検査のできる施設は限られています。
現状では、感染が確認されたウイルスを身体からなくす治療法はありません。近々、HPVワクチンが使われるようになると思いますが、このワクチンは子宮頸がんの約70パーセントを引き起こしているといわれている遺伝子型が16型と18型の感染予防を目的にしています。したがって、すでにHPV16型と18型に感染している方への効果は期待できません。
また、この2つ以外の遺伝子型ウイルスへの感染予防はあまり期待できません。