子宮頸がんの腺がん。放射線療法や化学療法を選びたい

回答者:宮城 悦子
横浜市立大学付属病院 化学療法センター長
発行:2008年12月
更新:2013年12月

  

総合病院の検査で、子宮頸がんの2期と言われました。子宮頸がんの中の腺がんというタイプのようです。この腺がんとは、どのような特徴があるのでしょうか。また、手術は必ず受けなければなりませんか。放射線療法や化学療法はどの程度有効ですか。できれば、手術ではなく、放射線療法や化学療法を選びたいと思っています。子宮頸がんの腺がんの治療法について、アドバイスをしてください。

(島根県 女性 54歳)

A 腺がんは難治性であるため手術で切除を

腺がんは、扁平上皮がんと比べて、放射線療法が効きにくく、再発・転移率も高く、難治性と考えられています。そのため、なるべく手術で切除するようにしています。手術方式は、扁平上皮がんと同じで、基本的には広汎子宮全摘出術を行います。

腫瘍が大きくて手術が難しいときには、ブリプラチン(またはランダ。一般名シスプラチン)などを用いた術前化学療法で、腫瘍を小さくしてから手術をすることもありますが、治療ガイドライン等での推奨が高い治療法ではありません。また、腫瘍縮小後の手術を目的に術前化学療法を行っても、腫瘍が小さくならないため、手術ができないこともあります。こうしたときには、化学放射線療法を行います。

ですから、担当医から「手術が可能です」と言われていらっしゃったら、手術を受けられたほうがよいと思います。『子宮頸癌治療ガイドライン』では、手術後に、がんが子宮の外に出ているとか、リンパ節転移があるとわかった場合には、術後補助療法として放射線療法を行うようになっています。ただし、腺がんの場合には、放射線療法が効きにくいことから、術後補助療法として、化学療法を行っている施設も数多いようです。こうした点を含めて、担当医によくご相談なさってから、治療方法を選択してください。

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