2期の子宮頸がんの治療法は?

回答者:磯西 成治
東京慈恵会医科大学第三病院 産婦人科診療医長
発行:2008年6月
更新:2013年12月

  

県内にある総合病院の婦人科を受診したところ、子宮頸がん(扁平上皮がん)の2期と診断されました。治療法として、手術+放射線治療か、化学放射線療法(抗がん剤治療+放射線治療)を提案されました。婦人科疾患ではありませんが、30代前半のころ、手術を受けて、とても痛く、また怖い思いをしたことがあります。そうした経験もあり、手術に対しては、恐怖心を強く持っています。そのため後者、つまり化学放射線療法を選択するつもりでいますが、化学放射線療法でも治癒を期待できるでしょうか。

(大分県 女性 47歳)

A 手術療法では、正確な病期がわかる

2期の子宮頸がんでリンパ節転移があれば、化学放射線療法(抗がん剤治療+放射線治療)を行うことが標準化してきました。

同じ2期の子宮頸がんでも、リンパ節転移がない場合、治療の選択は、専門医の中でも意見が分かれています。

今回の場合、日本では、まず手術が行われることが多いのですが、手術後にリンパ節転移がないことが確認された場合、その後、化学放射線療法や放射線治療を行うか、手術だけで治療を終えるかは病理検査の結果によっても異なりますが、正確なエビデンスは提示されていません。

手術を行う利点は、切除した摘出標本を顕微鏡下で確認し、病理診断が得られ、組織診断やリンパ節転移、脈管浸潤の有無など、詳細な情報に基づいて診断方針が決められる点にあります。

手術後の病理検査の結果、1期であることが判明し、がんが完全に切除され、リンパ節転移も陰性であれば、治療は手術のみで終了します。逆に、病理診断で3期に分類されることも稀にあるようです。

欧米では、日本よりも、化学放射線療法が第1選択になりつつあります。こうした状況を受けて、日本でも、患者さんが希望すれば、2期の子宮頸がんの患者さんに化学放射線療法を行うこともあります。先ほどとは逆に、化学放射線療法の欠点は、本当に2期かどうか確定できないまま治療を進める点です。

以上の点を踏まえたうえで、改めて主治医にご相談ください。

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