子宮頸がん2期との診断。放射線治療と手術の選択について
子宮頸がん2期との診断で、主治医からは「広汎子宮全摘出術、リンパ節は傍大動脈まで郭清する」と言われました。立ち仕事をしているので、リンパ浮腫などの後遺症が心配です。「放射線治療も手術と治療成績が同じ」と聞き、主治医に相談したところ、「下血や、腸に穴が開いたりと手術より怖い後遺症がありお勧めできない」と言われました。本当でしょうか。
(愛知県 女性 49歳)
A 1b期及び2a期の治療成績はほぼ同等
子宮頸がんの2期の手術は、広汎子宮全摘出術と骨盤リンパ節郭清術が一般的です。傍大動脈リンパ節まで郭清するエビデンス(科学的根拠)は少ないと思います。また、下肢のリンパ浮腫は骨盤リンパ節郭清だけの場合よりも骨盤と傍大動脈リンパ節郭清をした場合に多かったという報告があります。ですから、積極的にリンパ節転移が疑わなければ傍大動脈リンパ節郭清は必要ないと思います。
一般的に子宮頸がんの手術適応は2期までで、3期以上は放射線治療が一般的です。米国では2a期までは手術と放射線治療のいずれかが選択されます。2b期では放射線治療が選択されることが多く、手術をした場合には局所再発を防ぐため、術後に放射線治療を追加します。
また、1b期及び2a期の扁平上皮がんでは手術と放射線治療の治療成績は同じと考えられています。ですから、扁平上皮がんなら、49歳という年齢を考えると卵巣機能を残すことにはこだわらず、放射線治療のほうがベターのように思います。
最近、放射線治療単独よりも放射線と抗がん剤の併用療法のほうが治療成績のよいことが明らかになり、米国では併用療法が推奨されています。副作用が重なり、つらい治療になりますが、その分治療成績はよくなります。欧米に比べて、日本では放射線治療の専門医が少ないのが現状ですが、放射線治療の専門医を探し求めて、きちんとした治療を受けてください。