結腸がんが局所再発。効果の高い治療法は?

回答者:吉田 和彦
東京慈恵会医科大学青戸病院 副院長
発行:2008年7月
更新:2014年1月

  

2005年12月に上行結腸がんの手術を受けました。ステージは2期と言われていました。しかし、去年の6月に肝転移が見つかり、手術を再び受け、手術後には抗がん剤治療を受けました。これで大丈夫かと思っていましたが、今年の4月に結腸に局所再発が確認されました。主治医は「がんは小さく、手術で切除すれば治る可能性が高い」と言いますが、また手術を受けることを考えると、気持ちが滅入るし、体力面などで不安もあります。局所再発ということですから、放射線治療などではよくならないのでしょうか。体への負担が小さく、効果の高い治療法がもしあれば教えてください。

(福島県 女性 56歳)

A 本当に局所再発か確認。局所再発なら手術が第1選択

まずご確認いただきたいのは、再発部位が本当に局所だけかどうかという点です。それを知るには、PET-CT検査などの精度の高い検査を受ける必要があります。

PET-CT検査などを行い、遠隔臓器への転移再発がなく局所再発だけであることが確認され、切除可能であれば、手術による切除が第1選択の治療法になります。過去に2度、手術を受けているということですが、局所を再度切除するだけなので、体に対する負担は一般的には大きくありません。がんを完全に取り切れれば、治癒する可能性も生じます。

この場合、切除手術の後、さらに抗がん剤治療を行うかどうかは議論が分かれています。医療施設や医師によっては、再発予防のために行うことを勧めるところもありますし、経過観察とする施設もあります。ご相談者の場合、もし補助化学療法を行うのであれば、以前受けた抗がん剤には耐性が生じているため、異なる種類の抗がん剤の投与が勧められます。

放射線治療のこともお考えのようですが、結腸がんの場合、再発した部位に放射線を的確に当てるのは比較的難しいこともあり、直腸がんに比べて、放射線治療の適応は多くありません。

局所再発にとどまらず、遠隔臓器へもがんの転移が確認された場合は、全身療法である抗がん剤治療が勧められます。

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