食道がんが再発し、気管が狭窄。ステント治療は大丈夫か
73歳の夫のことでご相談します。3期の食道がんと診断され、去年の10月に化学放射線療法を受けました。しかし最近、縦隔にがんの再発が見つかり、そのがんが気管にも浸潤して、気管が狭窄していると主治医に言われました。気管が狭くなっているため、このまま放っておくと、呼吸困難を起こす可能性があるとも言われました。気管を広げるために、ステントによる治療を勧められましたが、副作用は心配ないでしょうか。また、今かかっている病院は、食道がんの手術症例数が多くないようなのですが、ステントの治療はそのような病院でも大丈夫でしょうか。
(香川県 女性 69歳)
A ステント治療は症状緩和の治療。出血や穿孔などが起こることも
都立駒込病院食道外科医長の
出江洋介さん
出江洋介さん
気管ステント(気管に留置するステント)には、出血や穿孔、ステントの脱落といった副作用があります。この場合の穿孔とは、気管に孔があくことです。
また、痰や血餅(血液が凝固すること)、がんの壊死組織などでステントが閉塞する危険性があるため、気管切開も同時に行って、気管支鏡などで閉塞を解除しやすくする場合もあります。
放射線照射後のステント治療のリスクは高く、留置後の管理も必要になるため、一般的には、手術症例数の多い医療施設のほうが的確な対処ができると思います。
ただ、ステント治療はがんを治す根本的な治療ではなく、症状を一時的に緩和させる治療であることを知っておいてください。