0期と診断。内視鏡治療と外科手術、確実な治療法は?
食道がんの病期0期と診断されました。がんの大きさは2センチ×2センチほどで、がんは粘膜にとどまっていると言われています。治療法は、内視鏡治療か外科手術を提案されました。0期の食道がんの治癒率は100パーセントに近いとも言われましたが、より確実な治療法はどちらでしょうか。また、後遺症がない(少ない)ことも希望しています。
(岡山県 男性 68歳)
A 内視鏡治療を行い、検体の検査結果によっては追加治療を行う
都立駒込病院食道外科医長の
出江洋介さん
出江洋介さん
まずは内視鏡治療を受けることをおすすめします。
2センチ×2センチの大きさであれば、比較的短い時間で切除が可能です。切除した検体の病理学的検索を行い、粘膜にとどまる病変であれば、ほぼ100パーセント治ります。
ただし、なかには、治療前の診断より、がんが少し深く入り込んでいる場合もあります。
粘膜筋板、あるいは、粘膜下層に少し入った病変であれば、病変周囲のリンパ管や静脈にがん細胞が入っているかどうかを確認して、入っていれば追加治療を、入っていなければ経過観察をします。
追加治療は鏡視下手術を行います。この手術は、傷が小さく回復が早いというメリットがありますが、食事の摂取に関しては食道温存治療に劣ります。
追加治療には、化学放射線療法という選択肢もあります。しかし、放射線肺臓炎や胸水、心嚢水貯留などの晩期有害事象が起こりうることを考えると、現時点では鏡視下手術をおすすめします。
追加切除を行った方の切除標本において、25パーセントにリンパ節転移を認めましたが、全員、再発することなく、生存されています。