腺がんと扁平上皮がんの違いは?

回答者:出江 洋介
都立駒込病院 食道外科医長
発行:2008年9月
更新:2019年7月

  

74歳の父が食道がんで手術をしました。腫瘍は、食道の下部で、食道と胃がつながっているところにあったようです。かなり大がかりな手術でした。ステージ2とのことです。腫瘍の組織は、腺がんとのことです。自分なりに資料を調べてみると、食道がんは扁平上皮がんが多いとのことです。食道がんの腺がんと扁平上皮がんは、どんな違いがあるのでしょうか。また、食道がんの腺がんの場合、再発や転移などは高くなるのでしょうか。そのときの治療法についても、ご意見をお聞かせください。

(岐阜県 女性 45歳)

A 扁平上皮がんのほうが、化学療法や放射線療法が効果的

食道と胃がつながっているところにあるがんは、専門用語では食道胃接合部がんといいます。

食道胃接合部がんは、胃がんと区別のつかないものから、食道の扁平上皮がバレット上皮という状態に変わってがん化するものまでさまざまです。食道胃接合部がんには、腺がんと扁平上皮がんとがあります。相談者のように、腺がんの場合が多いようです。腺がんと扁平上皮がんは組織学的、形態学的な違いがあります。腺がんは、胃がんと同じ性質を持っています。胃や、大腸、小腸などの消化管の上皮は、分泌腺があって、ヒダがあります。一方、扁平上皮は、どちらかというと皮膚に近い感じで、ツルツルになっています。分泌腺のようなヒダはありません。

一般的には、扁平上皮がんのほうが腺がんよりも化学療法や放射線療法に対する感受性が高く、化学療法や放射線療法が効果的です。食道胃接合部がんの予後は、腺がんと扁平上皮がんで大きな差はありませんので、腺がんだからといって再発や転移が高くなることはありません。あまり、ご心配なさらないでください。

再発した場合には、通常、胃がんの再発治療に準じて、TS-1(一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)の内服と、ブリプラチンの点滴静注による化学療法を行います。腹部リンパ節や、肝臓、肺に転移することが多いのですが、リンパ節転移は、早く見つければ放射線でコントロールできる場合があります。肝転移は、肝動注療法が有効の場合もあります。注意深く経過観察をし、早く再発を見つけることが重要です。

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