タバコと酒がやめられず、再発が心配
タバコと酒が大好きで、40年近く、毎日、喫煙と飲酒の日々を過ごしてきました。こうした生活がたたったのか、今年の2月に1期の食道がんが見つかりました。がんは粘膜にとどまっていたが、近くのリンパ節に転移していたそうです。手術を受け、その後の経過は幸い順調ですが、食道がんは再発しやすいと聞きました。主治医からは禁煙禁酒を勧められましたが、どちらも完全にはやめられず、量をかなり減らして続けています。とはいえ、ふと再発のことが気になることもあります。たしなむ量や回数を減らして、多少の喫煙や飲酒は続けたいのですが、問題でしょうか。
(広島県 59歳 男性)
A 新たな病気の発症を考え、やめたほうがよい
食道がんの発症に、喫煙やアルコールが関与していることは、さまざまなデータからも明らかです。しかし、発症と再発とは少し分けて考える必要があるでしょう。
再発は、必ずしも外的な要因に促されて起こるわけではなく、初回の治療のときに残っていたがん細胞が息を吹き返して起こります。喫煙やアルコールがその誘い水になるかというと、そういうものではないかもしれません。
とはいえ、そのまま喫煙や飲酒を続けてよいというわけでもありません。手術を受けていることを考えても、臓器はダメージを受けています。肺にしろ肝臓にしろ、残っている臓器の予備能力をできるだけ保つためにも、よけいなダメージを加えることは避けるべきでしょう。
ご相談者は食道がんの再発だけを心配されていますが、術後に残っている食道(頸部の食道)に発症することがあります。
喫煙や飲酒が肺障害や新たながんの発症につながることもあります。実際、食道がんの患者さんの1割以上に重複がん(ほかの臓器のがんにもなっていること)が見られます。食道がんは治ったけれど、ほかの病気になった、ということもあるのですから、これを機会に禁煙禁酒をされることを勧めます。