内視鏡的切除について教えて
先日、0期の食道がんと診断されました。0期では内視鏡でがんを切除すればほとんど治るといわれましたが、高い技術が必要とされるとも聞きましたので、不安も残ります。また、内視鏡での処理だけで済むのかについても心配です。内視鏡的切除について普通の手術と比較して教えてください。
(東京都 女性 60歳)
A 専門施設なら問題なし。追加治療が必要な場合も
0期の食道がんに関しては、内視鏡的に病変を切除する方法をとります。検査に使う内視鏡を口から入れて病変を切除するもので、基本的に治癒します。
難易度に関してですが、小さい病変ならば多くの施設で内視鏡による切除が行われていますが、広い病変の切除となると技術が必要となります。専門施設で行うのがいいのではないかと思います。
加えて、食道がんの特徴として多発ということがありますので、小さい病変であっても他にも見つかった、ということもあるので、基本的には専門施設で受けた方がいいと思います。
普通の手術との比較ということですが、普通の手術とは右開胸手術で、右の胸を開いて、さらに腹部と首の合わせて3カ所を切ります。大掛かりな手術になりますので、それに比べれば内視鏡的切除は体への負担はぜんぜん違います。
また、開胸手術と内視鏡的切除との中間に鏡視下手術があります。鏡視下手術というのは、内視鏡をお腹や胸の中にいれ、モニターを見ながら手術を行うものです。内視鏡や手術器械を入れるための穴を数個あけるなど小さな傷口で行えます。
内視鏡的切除を行ったときに、0期だと思ったら少し深かったとか、脈管侵襲がんがある場合には、0期でもリンパ節転移の危険性が出てきます。その場合は追加治療が必要になり、この鏡視下手術を行います。
その場合でも、まず内視鏡で切除して、確認してから追加で鏡視下手術をするというのが治療戦略となります。