術後、夜中に口に出てくる苦い液体の対処法は?

回答者:出江 洋介
都立駒込病院 食道外科部長
発行:2011年11月
更新:2013年10月

  

今年3月、2期の食道がんになり、手術をしました。今1番困っているのは、夜寝ているときに、苦くてヒリヒリしたり、酸っぱい液体が口のなかにあがってきて、夜中に何度も目が覚めてしまうことです。寝る前に気をつけることや、就寝時に工夫できることがあれば教えてください。

(新潟県 女性 55歳)

A 食事から就寝までの時間を長くし、上体を少し起こして寝る

食道がんの術後に起こる逆流は、なかなかやっかいです。とくに術後半年くらいは食事量が増えるので、さらに逆流が増えてきます。しかし、残念ながら、基本的には逆流を完全になくすことはできません。

食道がんの手術では、胃をつかって再建するため、胃をかなり上のほうまで持ち上げます。何かを食べると食べた物がすぐに胃に入り、長時間、胃にとどまるため、食後すぐ横になったりすると口のほうに戻ってくるのです。

逆流の防止策としては、食事から横になるまでの時間を長く空けることが重要なので、早い時間に夕食をとってください。就寝時には、リクライニングベッドで30度くらい起こした状態で寝るのが理想ですが、それが難しい場合や旅行先などでは、枕を高くしたり、背中に座布団を入れたりして上体を起こして寝るとよいでしょう。

口のなかにあがってくる酸っぱい液体は、胃液です。これを気管に吸い込むことにより重篤な誤嚥性肺炎を起こす危険性があります。熱が出るなど「風邪かな」と思うような症状が出たら、すぐに主治医に相談してください。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート4月 掲載記事更新!