放射線治療後の内視鏡での手術は可能?

回答者:出江 洋介
都立駒込病院 食道外科部長
発行:2012年9月
更新:2013年10月

  

3期の胸部食道がんと診断され、食道を残したくて化学放射線療法を受けました。最近になって再発がわかり、腫瘍を切除する救済手術と呼ばれる摘出手術が必要と言われています。内視鏡を使った、体に負担の少ない治療があると聞きました。この手術は私でも受けられるのでしょうか?

(福島県 男性 58歳)

A 実績のある病院でなら可能

まず、内視鏡を使った治療には、経口内視鏡を使った治療と、胸腔鏡や腹腔鏡を使った鏡視下手術があります。再発というのが、粘膜の多発病変や粘膜下層までに留まる病変であれば、経口内視鏡による治療が可能です。

一方、3期で救済手術(サルベージ手術)であるのなら、鏡視下手術になると思いますが、その有用性と安全性に関しては議論があります。

もともとの腫瘍が大きい場合や、放射線照射によって腫瘍やその周囲部分が硬くなっている場合では、鏡視下手術は困難になる場合もありますので注意が必要です。

ただし、もともとの腫瘍が比較的小さい場合などは、術後肺炎のリスクが下がり、体への負担が少ないので、鏡視下手術を行うメリットがあります。

いずれにしても救済手術はリスクの高い治療になりますので、専門病院で受けられ、難しいようでしたら、きちんとした手術を受けるべきでしょう。

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