高齢者の食道がん。その治療法は?

回答者:出江 洋介
都立駒込病院 食道外科部長
発行:2012年9月
更新:2013年10月

  

今年で86歳になる父についてお伺いします。食事の際に食べ物が喉につっかえると訴え、検査してもらったところ、3期の食道がんであることがわかりました。治療法としてはどのような方法があるのでしょうか?高齢ですが父は体力的には問題もなく、痴呆もありません。

(東京都 女性 55歳)

A 腹腔鏡での手術や化学放射線療法を

85歳以上の方では痴呆もなくお元気な方でも、実際には臓器などの機能が低下している場合がありますので、注意が必要です。それでもできるだけ積極的に治療を行いたいと考えています。

具体的な治療法として、完治の望める手術を行いたいところです。

ただ、日常生活をきちんと行えるような方であっても、実際には臓器機能が低下していたりしますので、検査で明らかな異常がなくても、手術で大きなダメージを受けた場合に、回復する力があるのかどうかは予測が困難です。そこで、できるだけ体への負担が小さい方法で行うことが前提となります。

そう考えると、手術をするメリットが大きい患者さんは、腹腔鏡のみで腫瘍がしっかりと切除できる可能性が高い中・下部食道がんの方といえます。

上部食道がんのように、気管周囲リンパ節転移の頻度が高い方は腹腔鏡だけではなく胸腔鏡(あるいは開腹)の手術を併せて行う必要があり、体への負担は大きくなります。

このような上部食道がんの方や中・下部であってもリンパ節転移の高度な方は化学放射線療法のほうがメリットが大きいかもしれません。化学放射線療法では、一般的には、5-FUとシスプラチンを併用した薬物治療と同時に、2グレイ×30回で合計60グレイの放射線照射が行われます。

また、化学放射線療法で狭窄が起きてしまった場合には、食事を摂りながら治療を継続できるようにするため、バイパス手術が行われます。

5-FU=一般名フルオロウラシル シスプラチン=商品名ブリプラチン/ランダ

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート1月 掲載記事更新!