ネクサバールの手足症候群 どう対処したら?

回答者・小池幸宏
関東中央病院消化器内科部長
発行:2014年7月
更新:2014年10月

  

消化器内科で看護師をしています。肝がんでネクサバール治療を開始して3週間になる52歳の女性患者さんが、発熱のため入院してきました。服薬は2日ほど中止し回復しましたが、手足の水ぶくれがこの間に悪化したようで、歩行もつらく、食事の際にお箸を握りにくいとのことです。ただ、ご本人はできる限り休薬期間は短くしたいと退院前には服薬を開始するようですが、休薬について、また、生活上のアドバイスなどどのように話したらよいのでしょうか。

(28歳 看護師 女性 山梨県)

減量しても続けたほうがよいことを説明して

関東中央病院消化器内科部長の
小池幸宏さん

ネクサバールは皮膚障害が現れやすい薬剤なので、投与する際は皮膚科との併診にするのが一般的です。何らかの症状があれば、皮膚科の医師が専門的な対処をします。

この薬の通常の服用量は1日800mgなのですが、この量を服用し続けると多くの場合、皮膚症状などの副作用が出て、減量や中止することが多いことがわかっています。

それを1日400mgに減量すると、副作用はかなり軽減し、治療効果もそれほど劣らないという研究結果が学会などでも明らかにされています。
そのため現在では、治療開始当初から、1日400mgを服用する施設も増えています。

症状への皮膚科による対処薬や悪化させない生活上の工夫などの対策も大切なのですが、この場合はそれ以前に、減量をまず検討することが重要でしょう。

患者さんは、減量・休薬によって治療効果が劣ることを気にされるかと思いますが、無理して800mgの服用を続けても、副作用のために服用を中止せざるを得ないこともあります。それよりは、減量して長く治療を続けたほうが、結果的に体に入れられる薬の量が多くなるのです。

主治医とご相談の上、減量についての前述の内容を含め、患者さんに説明されてはいかがでしょうか。

ネクサバール=一般名ソラフェニブ

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