アレセンサを飲み続けたほうが良いのか
肺腺がんが小脳に転移して3年経過しています。小脳はガンマナイフで治療しました。肺は手術していません。分子標的薬のアレセンサ(一般名アレクチニブ)を服用していますが、副作用で足先が痺れていて下半身が重たく感じられます。このような副作用のある薬をこのまま飲み続けたほうが良いのか、脳への影響がどうなるのか、思案しています。
小脳手術の後遺症で平衡感覚が取れずふらつきがあります。
(72歳 女性 千葉県)
A 副作用と命のどちらを重要視するかということ
日本医科大学大学院医学研究科
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
患者さんはアレセンサを服用されているので、ALK遺伝子陽性の肺腺がんと考えられます。ALK陽性肺腺がんは、それ以外の肺腺がんに比べて進行が速く予後(病状の見通し)が不良なのです。
したがって積極的な治療をしなければ、余命はかなり短いと考えてられます。
この方はⅣ期のALK遺伝子陽性肺腺がんを発症して3年が経過しています。それの意味するところは、アレセンサがかなり効いているということです。
足先の痺れなどの副作用があるアレセンサを飲み続けて良いのか、とのご質問ですが、もし薬の服用を止めれば早期にがんが再燃してしまうと考えられます。
薬の副作用と命のどちらを重要視すべきかという問題なのです。