タグリッソで慢性腎臓病が心配に
肺腺がんステージⅣですでに5年半になりますが、元気に暮らしています。ただ、タグリッソを服用し続けていて、毎回の血液検査でクレアチニンが1.08、eGFR値が44.2前後の状態が続いています。このままタグリッソを飲み続けていて、慢性腎臓病になることはないのか心配です。タグリッソの服用を半分に減らすなど、主治医に相談したほうがいいのでしょうか。
(63歳 女性 宮崎県)
A 腎機能低下の原因をはっきりさせることが必要
日本医科大学呼吸ケアクリニック
臨床腫瘍部門長/副所長の久保田さん
臨床腫瘍部門長/副所長の久保田さん
まずは、中等度の腎臓機能低下の原因をはっきりさせることが必要でしょう。タグリッソ(一般名オシメルチニブ)によるものか、それとも慢性糸球体腎炎、高血圧、高脂血症などが原因なのかを判断するために、一度腎臓内科を受診なさったらいかがでしょうか。
その結果、原因がタグリッソと判断されたら、タグリッソを半分に減らすことを主治医と相談されてはと思います。肺がんの状態と、血液のクレアチニンの値の変化をみて判断することになるでしょう。半分に減らすことで、脳転移が起こりやすくなるなどのリスクが考えられます。もし減量する場合は、定期的に脳のMRI検査を行なうなどの注意が必要です。