タグリッソの服用を再開したほうがいいか
2019年5月、血痰が出たので精密検査を受けたところ、右肺にがんが見つかり、縦隔リンパ節や脳に転移していて、ステージⅣと診断されました。
EGFR遺伝子変異陽性だったので、タグリッソ(一般名オシメルチニブ)の治療を開始しました。約1年後にがんは小さくなり転移もなくなりました。引き続きタグリッソの服用を続けていたのですが、2022年5月のCT検査で間質性肺炎を疑われ、服用を中止しました。6月の検査で陰影が薄くなったので、服用を再開しました。しかし、2カ月後に再び陰影が認められたため中止しました。現在は経過観察中ですが、次回CT検査で問題がないなら、タグリッソを再開したほうがいいでしょうか。
(71歳 男性 東京都)
A まず間質性肺炎の原因を調べることが大切
日本医科大学大学院医学研究科
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
呼吸器内科学分野教授の久保田さん
2019年にタグリッソを開始されて、3年後に間質性肺炎が発症したとのこと、タグリッソによる間質性肺炎としては発症時期がかなり遅いように思います。その間質性肺炎がタグリッソによるものか、他の原因かを診断することがまずは大切でしょう。
タグリッソによる間質性肺炎であった場合は、CTやPET/CT、脳のMRI検査を受けて、がんの残存があるかどうかを確認しましょう。残存病変がない場合は、定期的に検査を受けながら経過を観察することも選択肢の1つです。
がんが残っている、あるいは経過観察中に増大した場合は、治療を考える必要があります。タグリッソを続ける場合は、プレドニン(一般名プレドニゾロン)の内服を同時に服用することで、安全に継続できたとする報告がいくつかあります。その他、第2世代の薬剤であるジオトリフ(一般名アファチニブ)を選択する方法もあります。