再燃前立腺がん ダメージの少ない治療法は

回答者・亀山周二
NTT東日本関東病院副院長・泌尿器科部長
発行:2013年8月
更新:2015年2月

  

前立腺がん患者です。5年前に局所の進行前立腺がんがわかりました。手術後、ホルモン療法を行っていましたが、最近PSA値が上がり始め、「去勢抵抗性前立腺がん」であると言われました。今後は、ホルモン療法を一旦やめ、抗がん薬治療を行うと言われています。
抗がん薬は、強い薬らしく、副作用なども心配です。できれば抗がん薬は避けるか、あるいはダメージの少ない抗がん薬にしたいと思っておりますが、そういった治療法はありますでしょうか。今後、どのような治療を行うことが最善なのかが知りたいです。

(千葉県 男性 70歳)

PSA値=前立腺特異抗原。前立腺がんの腫瘍マーカーとして使われる

A 抗がん薬治療が第一選択。副作用はそれほど強くない

一般的にはホルモン薬であるLH-RH製剤を続けながら、それに抗がん薬のタキソテールを加えた治療が、去勢抵抗性前立腺がんの第1選択となっています。他には、最適な治療はないのが実情です。

去勢抵抗性前立腺がんの場合、残念ながら治癒はできませんが、抗がん薬でがんの進行を鈍らせ、不都合な症状が出てくるのを遅らせることが目標となります。

通常、ステロイド薬も一緒に点滴治療しますが、複数の抗がん薬を同時に行う多剤併用ではなく、抗がん薬はタキソテール1種類のみなので、それほど重篤な副作用がでることはあまりありません。70歳代の方でも副作用はさほど心配する必要はないでしょう。

投与後、1週目くらいに白血球減少がみられ、ときに熱が出たり感染症を起こすことがあります。吐き気、嘔吐などの副作用はそれほど強くありません。ただ、脱毛は生じます。治療は外来的に行うことも可能です。

PSA値の動きや副作用をみながら、1~2カ月おきに、点滴治療をくり返していきます。あまり怖がらずに、主治医のフォローを得ながら治療を受けてください。

タキソテール=一般名ドセタキセル

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