術後の救済治療は放射線治療単独か?ホルモン療法併用か?

回答者・亀山周二
NTT東日本関東病院副院長・泌尿器科部長
発行:2013年11月
更新:2019年4月

  

全摘後の放射線治療について、主治医は、必要ならばさらにホルモン療法を行うと言っています。その場合、体へのダメージや、がんが増殖してしまうような気がして心配です。放射線治療単独ではダメなのでしょうか?

(佐賀県 男性 68歳)

必要ならば救済放射線療法後

NTT東日本関東病院副院長の
亀山周二さん

全摘後のPSA再発に対する治療で、局所に放射線照射を行うことを救済放射線療法、ホルモン療法を行うことを救済内分泌療法と言います。いずれも、目に見えないがんが存在することを想定した治療です。

救済放射線治療は、局所に残存しているかもしれないがんに対する治療で、推奨照射線量は64グレイ(Gy)以上です。通常は1回2グレイの照射を週5回、6~7週をかけて行います。副作用で比較的頻度が多いのは頻尿、排尿痛などの膀胱炎症状などがあります。注意を要するのは血尿、下痢、直腸出血などです。さらに、最新のIMRT(強度変調放射線治療)だと照射精度が高く、効果を上げつつ副作用を少なくすることが可能とされています。

一方の救済内分泌療法ですが、一般に言う内分泌療法は局所ないし全身のどこかに存在しているがんに対する内科的治療法です。ホルモン療法は、精巣や副腎から分泌される男性ホルモンの影響を受けて増殖する前立腺がんの性質を利用し、これを抑制する治療法です。1~3カ月毎に男性ホルモンの働きを抑える注射をします。通常は、これと飲み薬(経口薬)を併用して完全に生体内の男性ホルモンの影響をなくさせます。

副作用には、女性の更年期症状と似たほてりや発汗のほか、勃起不全、女性化乳房、長期治療例では骨粗鬆症、血糖値上昇や体脂肪増加などの代謝異常などが挙げられます。

これら2つの救済療法の優劣は明らかになっていないのですが、まずは主治医の勧めるように救済放射線治療をして、その後、PSA検査の値を追いながら、十分に下降しない場合やいったん下降したが再上昇した場合には、救済内分泌療法を行うのが良いと思います。同時進行で2つの療法を行うことは必ずしも必要ではありません。

ご心配されている、2つの療法を連続して行うことによる身体のダメージは、いずれの療法でも厳密にチェックしながら行っていきますので、主治医がホルモン療法の必要性を言うようであれば、救済放射線療法の後に行うのが良いでしょう。

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