腰椎にも転移。骨の痛みを和らげるには?

回答者・赤倉功一郎
JCHO 東京新宿メディカルセンター院長補佐・泌尿器科部長
発行:2014年7月
更新:2014年10月

  

昨年(2013年)8月に前立腺がんと診断され、腰椎にも転移していました。ホルモン療法として、カソデックスを服用し、リュープリンとランマークの皮下注射を受けています。また、骨の痛みを緩和するため、メタストロン注の投与を受けています。治療後にPSA(前立腺特異抗原)の値が急低下しましたが、治療後6カ月目で上昇傾向になりました。今年4月の検査時に、治療を今後、変更する可能性もあると主治医に言われました。ずいぶん早く治療が効かなくなり、焦っています。若年での前立腺がんは進行が速いと聞きましたが、本当でしょうか。また、骨が痛いままです。痛みを少しでも和らげる方法があれば教えてください。

(51歳 男性 千葉県)

放射線の外照射や消炎鎮痛薬、麻薬などがある

JCHO 東京新宿メディカル
センター院長補佐・泌尿器科部長
の赤倉功一郎さん

前立腺がんの進行は、高齢だから遅く、若年だから速いとは、必ずしも言えません。年齢による差よりも、悪性度など、がんの性質のほうが進行に大きく影響します。

骨の痛みを緩和する方法はたくさんあります。例えば、3カ月以上経過しているのであれば2回目のメタストロン注を行うことを考えてもよいでしょう。限局性の痛みで、痛いところがはっきりしている場合には、その箇所に放射線の外照射を行うのもよいと思います。また、タキソテールなどの化学療法を行うことで、痛みが軽減することもあります。

これらの治療でも痛みが緩和しない場合は、NSAIDs(エヌセイド)という非ステロイド性消炎鎮痛薬(抗炎症薬)、さらには、モルヒネなどの麻薬を考えてもよいでしょう。モルヒネと化学療法など、併用できる治療法もあります。

また、NSAIDs には胃潰瘍などの副作用があるため、使用量に上限がありますが、麻薬には使用量に上限がありません。麻薬は痛みに応じて少しずつ増量していけば、用量を気にすることなく使えます。

カソデックス=一般名ビカルタミド リュープリン=一般名酢酸リュープロレリン ランマーク=一般名デノスマブ メタストロン注=一般名ストロンチウム89 タキソテール=一般名ドキタキセル

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