小線源療法後に直腸からの出血続く

回答者・古賀文隆
都立駒込病院腎泌尿器外科医長
発行:2015年1月
更新:2015年12月

  

前立腺がんの小線源療法を2年前に受けました。前立腺がんの治療としてはうまくいったとのことでした。しかし、1年半くらい前から、直腸からの出血が続いています。主治医は小線源療法の副作用だろうと言います。出血が長く続いて不安です。何とかできないものでしょうか。また、治療後ではありますが、被爆についての不安も増してきました。大丈夫でしょうか。

(68歳 男性 宮城県)

内科でコントロール可能 内視鏡治療での止血も

都立駒込病院腎泌尿器外科医長の
古賀文隆さん

出血の程度によります。出血が少量であれば経過観察も可能ですが、大量の場合や心配が募る場合は、消化器の専門医にかかることをお勧めします。

治療法は、消炎薬の内服から、内視鏡による止血(レーザー凝固など)、さらには設備が整っていれば高圧酸素療法(空気圧の高い装置に入り、酸素を吸入する)という選択肢もあります。

大腸からの出血は、放射線治療に一定の割合で見られる合併症です。がん治療自体の成否とは関係ありません。放射線を病変部に照射するときには、他の部位に影響する線量が少なくなるようにプランニングしますが、どうしても少量は当たってしまいます。

放射線が当たるとその部分の血流がなくなっていくので、体は血流を得るために新しい血管を作ろうとします。しかし、そのようにしてできた血管はもろいので、やがて破綻して出血してしまいます。それが、放射線性直腸炎だったり放射線性膀胱炎だったりします。

発生時期は、施術後の早い時期に起こるということもありますが、5年後や10年後など期間が経ってからのほうが一般的です。いずれにせよ、消化器内科的にコントロールが可能なので、専門医にご相談なさるのがいいでしょう。

次に、小線源療法についてですが、通常の密封小線源療法の場合は放射性ヨウ素125が密封されたカプセルを前立腺に留置します。この元素の半減期は約60日で、1年後には放射線はほとんど残っていません。

小線源療法は、一般的に低リスクの症例で行いますが、近年の動きとしては、臨床試験として中リスクの前立腺がんに対して小線源療法を外照射療法との併用や、ホルモン療法との併用で治療に取り入れる医療機関もあります。一方で、治療成績に関するエビデンス(科学的根拠)や全摘手術との比較試験などの結果はまだ報告されていません。

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