骨転移のある前立腺がん。ホルモン療法は適切か?

回答者・古賀文隆
都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2016年7月
更新:2016年6月

  

80歳の父のことでの相談です。前立腺がんの疑いがあり、生検を受けたところがんが発見されました。グリソンスコア(GS)は4+5、腰痛が強かったのでX線検査を受けたところ、腰椎を圧迫骨折していて肋骨にも転移がありました。主治医から、「年齢も考慮して、薬によるホルモン療法を行いましょう」と提案されています。父は1人暮らしなので、できるだけ生活に支障の出ないようにしたいのですが、ホルモン療法は適していますか。どのような薬を使うのでしょうか。

(50歳 女性 大阪府)

ホルモン療法が標準治療。5年生存率は60%を超える

都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

骨転移のある進行前立腺がんの標準治療は、男性ホルモン除去療法(ADT)になります。ADTには2種類の方法があり、1つは両側の精巣を摘出する外科的去勢、もう1つは手術をせず薬を使用する内科的去勢です。

内科的去勢の場合、1カ月に1回もしくは3カ月に1回受診し、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニスト(作動薬)やGnRHアンタゴニスト(拮抗薬)の皮下注射をします。ご相談者のお父様は内科的去勢を提案されているとうことですが、この治療法で問題ないと思います。

一般的にホルモン療法を行う場合は、GnRHの皮下注射に加えて、抗アンドロゲンの経口薬を併用する施設が多くあります。こうした治療(ADT)を行った場合の奏効率は95%以上と報告されています。

ただし、いったん病状は改善するものの、早晩去勢抵抗性(ホルモン療法が効かなくなる状態)となります。その場合は、経口の抗アンドロゲン薬交替療法や抗がん薬などを順次使用していくことで病勢をコントロールします。

近年、ザイティガ、イクスタンジ、ジェブタナなど去勢抵抗性前立腺がんに対する治療薬が増えたので、予後もかなりよくなっています。結果的に本邦での転移性進行前立腺がんの5年生存率は、最近では60%を超えています。

ザイティガ=一般名アビラテロン イクスタンジ=一般名エンザルタミド ジェブタナ=一般名カバジタキセル

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