緩和ケアしかないと言われたが、残された道はないか

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2020年11月
更新:2020年11月

  

2000年に前立腺がんステージIV期と診断され全摘手術を行いました。術後、ホルモン療法、放射線療法、抗がん薬治療と行ってきましたが、すべて効かなくなり、がん細胞が左手の神経細胞を圧迫しています。

そこでご相談ですが、今後は緩和ケアしかないとのことで医療麻薬を処方されましたが、手術など他の方法は残されていないのでしょうか。

(82歳 男性 神奈川県)

ランマークなどを使用しながら疼痛緩和目的の放射線治療が有効

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

ステージIV期で全摘手術を行ったとのことですが、通常ステージIV期ではホルモン療法を主体とする全身治療の対象で、一般的には手術は適応とならないのが普通です。それにも関わらず全摘術が施行されたということは、診断当初はごくわずかな転移(オリゴ転移)しかなかったと思われます。標準治療ではないですが、若くて元気で転移がごく少数の場合は、前立腺全摘除や根治的放射線治療が選択されることもないわけではありません。

現在の状態は、おそらく頸椎(けいつい)転移が左腕に行く神経を圧迫しているものと思われます。痛みに対しては医療麻薬が有効ですが、疼痛(とうつう)緩和効果があるゾレドロン酸やランマーク(一般名デノスマブ)を使用しながら、疼痛緩和目的で放射線治療を行うことも有効です。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート4月 掲載記事更新!