ホルモン療法が効かなくなり抗がん薬治療を勧められている。他に治療法は?

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2021年6月
更新:2021年6月

  

2018年5月、PSA値が150を超えました。生検の結果、グリソンスコアが8と高く、前立腺がんと診断されました。またCT検査などで肺、骨盤などへの遠隔転移も確認され、ホルモン治療を開始しました。PSA値は一時、0.1まで低下しましたが2020年6月には2以上に上昇してきました。

主治医からホルモン薬が効かなくなったので、抗がん薬治療を勧められています。年齢も高いので体力的にも自信がなく、なるべく抗がん薬治療はやりたくありません。他に治療法はないのでしょうか。いまのところ目立った痛みもありません。

(78歳 男性 埼玉県)

去勢抵抗性前立腺がんの治療成績は改善している

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

ホルモン療法(男性ホルモン除去療法)中に病状が再燃する前立腺がんを、去勢抵抗性前立腺がんと言います。去勢抵抗性前立腺がんの治療には、新規ホルモン薬のイクスタンジ(一般名エンザルタミド)、ザイティガ(同アビラテロン)や抗がん薬などがあり、これら複数の治療を病状に合わせて順次的に使っていくことで病気をコントロールしていきます。

去勢抵抗性前立腺がんの治療で用いる抗がん薬にはタキソテール(一般名ドセタキセル)とジェブタナ(同カバジタキセル)があり、初めにタキソテールを使用します。これらの抗がん薬が保険診療で使用できるようになってから、転移のある去勢抵抗性前立腺がんの治療成績は改善しています。

副作用には脱毛、食欲低下、倦怠感、骨髄抑制、手足のしびれなどがありますが、外来通院で投与できる比較的安全な抗がん薬です。年齢や全身状態に合わせて減量して投与できるので、まずは主治医とよく相談してみてください。

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