放射線治療をしなくてはいけないか

回答者●古賀文隆
がん・感染症センター都立駒込病院腎泌尿器外科部長
発行:2022年3月
更新:2022年3月

  

2019年10月に前立腺がんと診断されました。そのときのPSA値は55、グリソンスコアは4+3=7、TNM分類はT3b(精嚢浸潤あり)N0(リンパ節転移なし)M1(遠隔転移あり)で、ステージ4と診断されました。遠隔転移は胸骨です。11月からホルモン療法を始めました。

最も低いPSA値は0.08で2021年10月には0.48まで上昇してきたため、主治医から放射線治療の検討を打診されましたが、放射線治療をしなくてはいけないでしょうか。また放射線治療で完治が可能でしょうか。

(69歳 男性 群馬県)

根治的な放射線治療を検討する余地はある

がん・感染症センター都立駒込病院
腎泌尿器外科部長の古賀文隆さん

遠隔転移のある前立腺がんの場合、その多くはがんが全身に広く分布しているため根治的治療の対象とはならず、一般的にはホルモン療法(男性ホルモン除去療法)を生涯継続していく必要があります。

しかし、転移病変が1~2カ所に限局している一部のケースでは、施設によっては積極的に根治を目指す治療を行い、経過が良好な場合はホルモン療法を中断して経過をみることもあります。ご相談者の場合、診断時に遠隔転移が胸骨に限定していたのであれば、根治を目指す積極的治療の対象になり得ると考えます。2021年秋時点でPSAが再上昇しており、画像診断(全身MRIまたは前立腺部のMRI+全身CT+骨シンチ)で現在の病変の拡がりを評価する必要があります。

転移病変が診断当初と較べて拡がっていなければ、転移病巣(胸骨)と原発巣(前立腺・精嚢部)に対する根治的な放射線治療を検討する余地はあると思います。担当医とよくご相談することをお勧めします。

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